使える熊本弁講座

〜因果応報とはこの事です。親の因果が子に報い、嗚呼!お母さんは猿になってしまいました〜
祖父母を恨むべきなのか、これも因果と受け入れるのか、果たして、果たして、お母さんの運命や いかに。

本当の意味は「犬がいるよ、ほら と お母さんはいらっしゃる?」です。
オドロオドロしい文字で脅かして済みません。 

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使える熊本弁講座

熊本弁紹介のサイトは多いのですが、その多くは熊本市内で使われている方言を扱っています。
この講座では主な方言の他、極狭い地域のみで使う方言(地名注釈入り)も載せています。ひとつ覚えて熊本で使えば、ウケること間違いなし!!
また、私は現代国語は得意でしたが、記載事項に学術的裏付けはございませんので、お笑い用でのご使用をお願いします。自由研究の授業、夏休みの宿題、学術論文(に使う人は、いないか)にお使いの際は、自己判断、自己責任でドーゾ。

熊本弁のアクセント :基本は平坦です。
語尾や助詞を上げて言うイントネーションなどは韓国語風・北関東風でもあります。
自分の苗字を言う時、田中です・山本ですは「たなです」「やまもです」と太字を上げます。相手に呼びかけるときは、ほとんど共通語に準じます。しかし、年配の方はヒロコさん・ケイコさんなどといった名前の呼びかけも、どこにもアクセントを付けずに、平坦に言います。
”マチ針”や”天神(福岡市繁華街の地名)”、”四月”も平坦に言います。熊本の人相手に「ちばり」「んじん」「がつ」と頭にアクセントを持ってくると、一瞬きょとんとされるかも。
新記載語(2009.3.25)

目 次
あ 行
か 行
さ 行
た 行
な 行
は 行
ま 行
や 行
ら 行から ん

 えーっ「ん」もあるの?と思うでしょうが、「ん」もあります!! あるんです。

熊本弁 共通語 例文と共通語訳 (例文中の太字はアクセント)
あ行 目次に戻る あ〜お
あえる (汚れや染めが)
取れる、落ちる
(汚れが)取れない、落ちないは”あえん”
”あえる”の場合、”あゆる”と訛ることもある。

1)こん油汚れは、せっけんじゃえん
(この油汚れは、石鹸じゃ取れない)

2)泥汚れにゃ、おば使うとゆるよ
(泥汚れには、お湯を使うと落ちるよ)

3)洗濯機に掛けたら、金箔模様えてもた
(洗濯機に掛けたら、金箔模様があせてしまった)
あからん(1) だめ・いけない 関西弁のアカンに近い。呆れたときに言う。 

1)部品ば替えたとに、たエンジンのかからん。こん車はあからんねぇ。
(部品を替えたのに、またエンジンが掛からない。この車はダメだねぇ)

2)た机に座ってかっ。あからん言うたでしょ
(また机に座って!。いけないって言ったでしょ)
あからん(2) 開かない、明かない ドアが開かない、夜が明けないなどに使う。
席が空かない、ゲームに飽きないは「あかん・あきん」です。

1)かのこわれとっとだろか、ふからんよ。
(鍵が壊れてるのだろうか、ふたが開かないよ。)

2)ふからんとさかねぇ。
(冬は夜が明けないと寒いねぇ。)
あぎゃん あぁいう・あんな 1)あぎゃん色んバッグの欲しかったい
(あんな色のバッグが欲しいのよ)

2)あん人は、怒るとあぎゃんらすもん
(あの人は、怒るとあぁなのよ)
あくしゃうつ 怒るのを通り越して呆れる・いらつく 何度言っても言うことを聞かない人や、とんでもない失敗や不運が起きたときに使う。
呆然としたり、思考が停止したり、心臓を鷲づかみされるような衝撃を受けたときの状態

1)なんべんでん念ば押したとに、やっ出来上がらんだった。あん人にもあくしゃうつ
(何べんも念を押したのに、やっぱり出来上がらなかったね。あの人にも呆れるね)

2)美樹ちゃんな1時もちこくてこらしたけん、ほんにあくしゃうったね
(美樹ちゃんは1時間も遅刻して来たから、本当に腹が立って呆れた)

3)ま雨、雨の続いて練習んれんけん、あくしゃつね
(また雨、雨が続いて練習が出来ないから、いいかげん呆れるね)
あくた 芥・ごみ・ちり 方言ではないが、やや古めかしい語を日常会話として使うので記載

1)そっこぉんどろたら、どろあくたのやまんごっあった
(側溝のどぶをさらったら、泥芥が山のようにあった)

2)あくたばこづんどかんで、よすてなっ
(ゴミを積みあげてないで、早く捨てなさいよ)
あこなる 赤くなる この言い方は関西弁に近いですね。

1)もかカバンば持っとったら、こなった
(重いカバンを持ってたら、手が赤くなった)
あさっぱち 朝っぱら 1)あさっぱちかっ、なんばしよった
(朝っぱらから、何をしてたの?)
あすけ あそこに ”あっけ”ともいう

1)あすある本ばとってくだはい。
(あそこにある本を取って下さい。)

2)えーっとあたしんカバンなぁ・・・あっあす置いとった。
(えーっと私のカバンはぁ・・・あっあそこに置いてた。)
あせくる (捜し物をして)
引っ掻き回す、かき混ぜる
1)引き出きーたなかけん、もがすとにあせくらんと出てこん
(引き出し(の中)が汚いから、物を探すのに引っ掻き回さないと出てこない)

2)タンスあせくりよったら、のうなっとった宝石箱んかぎん出てきた
(タンスをかき回して(捜して)たら、無くなってた宝石箱のカギが出てきた)

3)しめばそんあせくっと、いんくずるったい
(煮しめをそんなにかき混ぜると、芋が崩れてしまうよ)
あた あなた・あんた ”あぁた”とも言う。
私の感覚では”あんた”よりも柔らかい言い方に聞こえるが、
よその人からしたら、おっかなく感じるかも知れないね。

1)あたたちゃ、どっから来たんね?
(あなた達は、どころから来たの?)

2)あぁたげにゃ、ねこぁるかい?
(あなたの家には、猫はいるかい?)
あっ(1) あれ ”ある”と同じ
あっ(2) 在る・有る 1)こけあっ。
(ここに有る。)

2)な机んうにあっばい
(本は机の上にあるよ)


3)こん店にゃ、なんでんあったい
(この店には、何でも有るじゃない)
あど かかと 1)靴んあば踏んで歩くな
(靴のかかとを踏んで歩くな)

2)あげて元気よう歩なんたい!
(かかとを上げて元気良く歩かなきゃ!)
あとぜき 戸や扉、窓を開けた後、きちんと閉める様 小学生の頃、教室の扉には「あとぜきすること」と張り紙があった。
熊本県民が共通語化したがっている語。漢字では後堰とか後塞と書くらしい・・・?。
後始末と同じように、戸、扉、窓を開けた人、利用した人がすべきこと。

1)ねこじゃなかだけん、あとぜきせん
(猫じゃないんだから、開けた扉は閉めしないか)
あば 新しい物・お初 新しい服などに使う。
昔だったら新しい何かを買うのは、盆と正月くらいだったろうけど、
現代はしょっちゅう買い物するから、いちいち使っていられないよね。
50年位前までは、新しい服を着て行くと、友達が「あば」とか「お初」と言いながら肩などを叩いたそうだ。
そんな経験は私にも無い。うーん死語かな?

1)あね?
(お初?)
あら あれは 1)あら、なんな?
(あれは、何?)

2)ら、どがんすっと?
(あれは、どうするの?)
あらくたましか (気性や行いが)荒々しい 荒か<荒くたましか、”荒い”より、もっと荒々しいこと

1)掃除機かけるとば頼んだら、美樹ちゃんな荒くたましかけん、
机の脚でんタンスでん傷だらけたい
(掃除機かけるのを頼んだら、美樹ちゃんは荒っぽいから、
机の脚もタンスも傷だらけじゃない)

2)中身はケーキだけん、荒くたましくせんで運んじ
(中身はケーキだから、荒っぽくしないで運んでね)
ある あれ 1)あるばくだはい
(あれを下さい)

2)あるにのりまっしゅい
(あれに乗りましょう)

3)あるが阿蘇たい
(あれが阿蘇山だよ)


あん あの、あれ、あんな 1)あんパンばくだはっ
(あのパンを下さい)
あんパンが餡パンとは限らないのが面白いところ

2)あん大きさん茶碗の欲し
(あんな大きさの茶碗が欲しい)
あんじゃもん お兄さん なんだか時代劇の表現みたいですね。
”姉じゃもん”はありません。使い方としては、呼びかけには使わず会話中で用います。

1)あんじゃもんな、いらすかいた
(お兄さんは、家にいらっしゃる?)
いきなりだんご いきなり団子 「いきなりだご」、「いきなり」とも言う。
うどんの生地で、輪切りのサツマイモと餡を包んで蒸した菓子。熊本だけでなく九州中で食べる。
サツマイモ無しで、餡だけを包むと「べったらだご」または「びったらだご」と呼ぶ。
いごく 動く 訛りですね。

1)いごかん
(動かないで)

2)いごいたけん、しゃしんのぶれたい
(動いたから、写真がぶれたよ)
いち食う (つい)食べる つい・うっかり食べた。といった場合に”いち”を付ける。
しかし、さほど強調する必要がなくても大袈裟に言いたがる傾向にある。

1)今日からダイエットて言いよったばってん、お土産んケーキばいちうてしもた
(今日からダイエットと言っていたけど、お土産のケーキをつい食べてしまった)

2)ネのいち食わんつ、飯台ば見って

猫が食べないよう、テーブルを見ていて)
いっちょ ひとつ いっちょ、ふたつ、みっつ・・・と云い、「ひとつ」だけ言い方が違う。

1)白いっちょいよ
(白菜をひとつ下さい)
いっちょん ひとつも・少しも・全然・一度も 最近の「全然」の使い方とは違い、否定文にしか使いません。

1)いっちょん、おもろなか
(全然、面白くない)

2)餃子ば3人前取ったとに、美樹ちゃんないっちょん残さんごつ食べらした
(餃子を3人前取ったのに、美樹ちゃんは一つも残らないくらい食べちゃったよ)


3)もう3て。まっとっとに、いっちょんこらっさんたい
(もう3時なのに。待ってるのに、全くいらっしゃらないじゃない)
いん 訛った言い方。私が子供の頃は野犬や放し飼いの犬が多く、通学路のこの辺りに白い犬、あの辺りには茶色い犬と、2,3匹は見かけたものだった。今は野犬狩りをするから、野良犬自体いなくなったよね。

1)ここらへんな、のらいんおおかねぇ。
(ここら辺は、野良犬が多いねぇ。)

2)あそけ、ーまかいんんね。
(あそこに、小さな犬がいるね。)
うぅちゃっか 横着だ・ずるい ”おぅちゃっか”と同じ
ただし、「〜っか」を使わない場合は
「あらぁ(アイツは)オウチャクだんねぇ」と普通に”横着”をつかう。

1)アラ、ううちゃっかもんねぇ
(あいつは、横着者だよね)


*方言・解説・例文共に玉名出身Kさん提供語
うぅばんぎゃあ 度外れ者 漢字にすると”大番外”だそうだ
熊本弁を多用するタレントが言ってるのは聞いたことがあるが、正しい意味は知らなかった。
*Hさん提供情報。

うーばんぎゃあのついでに。
大顔を”うーづら”と言っていた。(50年以上前の県北にて使用、現在は死語だと思う) 
「うー」が大きいとか、はなはだしいの意味なんだ! 
結局、”うーばんぎゃあ”も”うーづら”も、とんでもないところから湧いた語源不明な方言ではなく、
今は使わない古語だっったり、発音が訛ってるだけなんですね。ほほーーっ
うしすぅる(うしする) 捨てる、放り出す ”うっしゅる”と同じ
うしてる 捨てる、放り出す ”うっしゅる”と同じ
うしなう 失う・なくす 落としたり、置き忘れて物を無くす意味で使う。
一見方言ではなさそうですが、”しなう”のアクセントは「う」
”うしなわないように”は、”うしなわんごつ”
”うしなった”は、”しのうた”と、変化形に方言らしさが出る。

1)カばうしなわんごつ、くけときなっせ
(カギを失くさないよう、首に掛けときなさいよ)

2)出張ささいふばしのうて、あくしゃうっ
(出張先で財布を失って、呆然とした)
うしやる (どこかに)やる、失う、無くす ”うっしゃる”とも言う。
物を無くすというよりも、「神隠し的に、どこか知らないところにやってしまう(あげてしまう)。」「予想外な事や所に行かせてしまう」といった、不意で予想外に失うニュアンスもある。

1)わー、借りたば、どっかうっしゃったごたっ
(わー、借りた本を、どこかに無くしたみたい)

2)大事かもんば、どこさんでん持ってと、しやるばい、ちゃーんとなおしと
(大事なものを、どこにでも持ち歩くと、失くすよ。ちゃんとしまって置かなきゃ)
うすつる 捨てる、放り出す ”うっしゅる”と同じ
うすてる 捨てる、放り出す ”うっしゅる”と同じ
「う+捨てる」

1)そがんた、もううし
(そんな物、もう捨てろ)
うっさめる 覚める・冷める・褪める ”きゃあさめる”にも似てるが、より衝撃的に”さめる”意味合いがある。

1)びっくっして、さけんうっさ
(びっくりして、酒が覚めた)

2)日の当たって、看板の文字のうっさとる
(日が当たって、看板の文字が褪めちゃってる)
うっさる 捨てる、放り出す ”うっしゃる”と同じ
うっする 捨てる、放り出す ”うっしゅる”と同じ
うっしぇる 捨てる、放り出す ”うっせる”とも言う
これは活用形の問題であるが「しゅ」が「しぇ」になる時は他人に対する命令形となる。
このため正しくは「うっしぇる」で使うことはなく「うっしぇれ」となる。

1)コラまっとる、うっしぇれうっしぇれ(怒)
(これは腐っている、捨てろ捨てろ(怒))


また、現代風に言えば「うっしぇろ」と末尾が「ろ」になります。
ガッカリしているときは末尾の「れ」を発する気力もないので
「うっしぇうっしぇ(捨てろ、捨てろ)」となります。
ヒロシのように悲しそうにつぶやくのがポイントです。
この場合は末尾が「れ」なのか「ろ」なのかは分かりません。

2)こがん片付けんなら、部うっしぇ
(こんなに片付けないなら、全部すてやってよいのね)

3)ぎゃんガラクタ、うっせりゃよか
(こんなガラクタ、捨てちゃえばいい)


*玉名出身Kさん提供語、説明、一部例文
うっしゅる
捨てる、放り出す ”うしすぅる”、”うしてる”、”うすつる”、”うすてる”、”うっする”とも言う

接頭語「うち」シリーズの1つ。
多分「うち|捨てる」がなまったもの。
古語においては「うち|捨つる」となる。
接頭語「うち」がつかない場合は現在でも「捨つる」と言う。
ただし、「る」を発音することはなく「捨つっ」となる。

1)勉強もなしピコピコんたっとかっしてー!うっしゅっぞ!!(怒)
(勉強もしないでファミコンのようなものばかりして!捨てるよ!(怒))

*正確には「うっしゅるぞ」ですが「る」は省略されがちなのと怒っていて勢い

があるので「る」は言ってない雰囲気。
もちろん同じ形で「うっすっぞ」とも言います。

2)美樹ちゃんの今週号の雑ば、うしてるわしたけん、ろてきた
(美樹ちゃんが今週号の雑誌を、捨てると言われたので、もらって来た)

3)ん、こけこづんてあっふは、うすつっ
(何?ここに積んである服は、捨てるの?)


*玉名出身Kさん提供語、説明、一部例文
うっしゃる (どこかに)やってしまう、失う、無くす ”うしやる”と同じ

物を無くすというよりも、「神隠し的に、どこか知らないところにやってしまう(あげてしまう)。」「予想外な事や所に行かせてしまう」といった、不意で予想外に無くすという意味合いがある。
うっせる 捨てる、放り出す ”うっしぇる”と同じ
もっぱら「うっせれ(捨てろ)」、「うっせろ(捨てろ)」という言い方で使う

*玉名出身Kさん提供語
うったつ バリッと服装を決めること 式やパーティに参加するため、正装してるときなどに使う。

1)みゃあにちジャージ姿ん人でん、お正月くらいは、うっって出かけらすとたい。
(毎日ジャージ姿の人でも、お正月くらいは、バリッとしてお出かけになるんですよ)


2)うわぁ、うったってかっ!け行くと?
(うわぁ決めちゃってから!どこ行くの?)
うったまがる おったまげる・非常に驚く ”うぅ(うっ)”がはなはだしいの意味で、驚くを強調した言い方。

1)だらんとおもて鼻歌うたいよったら、ひらしたけんうったまがった
(誰もいないと思って鼻歌歌ってたら、人がいたのでビックリした。)

2)隣んおばさんの、水道の壊れたて、うったまがってうちにこらした。
(隣のおばさんが、水道が壊れたと、驚いて家にいらした。)
うっちゃう かまう ”うっちゃうな”は、ほっとけの意味。
”うっちゃいきれん”は面倒見切れないとか、付き合ってられないという意味。 

1)もう、うっちゃいきれん。
(もう面倒見切れない。)

2)そがん我儘、うっちゃわんかよ。
(そんな我儘、付き合わなくていいよ。)
うっちゃすれる うっかり忘れる 熊本弁には”いち”、”うち”、”おっ”、”きゃぁ”という語を付けて強調するような表現が多い。
ゆっくり発音すると”うち忘れる”だが、別に「家を忘れた」って意味じゃないよ。

*玉名出身Kさんから「うっつぁすれる」がより近いのではとの情報がありました。もう一つ「うっつあするる」と言う言い方もあるとの事でした。

1)弁当ば作ったとに、えんちさんうっちゃすれて来た
(弁当を作ったのに、自宅につい忘れてきた)

2)えーっとあんひたい。名前はなんだったかなぁ、うっちゃすれた
(えーっとあの人よ。名前はなんだったかなぁ、ど忘れした)

3)大事かもんはうっちゃすれんごつ、カバンに入れときなっせ
(大事なものは忘れないよう、カバンに入れて置きなさいよ)

4)おぉ、薬飲むば、うっつあするとだった
(おっと、薬飲むのを、忘れるところだった)
うっちゃる 放り出す・ほうって置く 相撲のうっちゃりと同じ

1)問い:こら、どこさん置く
     (これは、どこに置くの?)

返事:あぁ、そこらへんにうっちゃっとって
    (あぁ、そこらへんにほっぽっといて)
うっちょく 置く・取り残す、放っておく 1)10分以上遅刻したら、うっちょいていくよ
(10分以上遅刻したら、置いて行くよ)

2)バスにうっちょかれたけん、車で送ってはい
(バスに置いて行かれたから、車で送ってください)

3)うわぁ、さっきん喫茶店さん、ばうっちょいてきた
(うわぁ、さっきの喫茶店に、本を置いてきちゃった)

4)ふば、こがんとけうっちょくと、ごるっよ
(服を、こんな所に放って置くと、汚れるよ)
うわいさぁし あらあら・うわぁ・こりゃひどい ビックリしたときの感嘆詞です。冷やかしの意味合いもあります。

1)うぁいさぁし、6台の玉突き事てったい
(うわぁ、あらあら、6台の玉突き事故だってよ)

2)美樹ちゃんなスーツばてかっ。うわいさぁし、け行くと?

(美樹ちゃんは珍しくスーツを着てぇ。うわぁ、どこ行くの?)
うんにゃ ううん・いいえ ”うんね”とも言う。
共通語の「うん」は、熊本でも”うん”です。

1)(A)あしたは晴れね? (B)うんにゃ
((A)明日は晴れなの? (B)ううん)
うっぱめる はめる
塞ぐ、せき止める
1)たいふうで窓ガラれんごつ、いばうっぱといて
(台風で窓ガラスが割れないよう、板を張りつけておいて)

2)故んあってトラッの横転してかる、にもばっちらかって、うっぱめらてしもて、かれん
(事故があってトラックが横転して、荷物がぶちまかれて、(道が)ふさがれてしまって、行かれない)

3)アリんぎょうれに、いば置いてうっぱてみたばってん、やっぱるながった
(アリの行列に、石を置いてせき止めてみたけど、やっぱりつながった)
うんぶくれる 溺れる・うずもれる 川で溺れるの他、ブカブカやボリュームのあるダウンジャケットなどの服を着たり、
フカフカのベッドに横たわった時の様を指す。  

1)うわぁ美樹ちゃんな、そがんモコモコした服ば着て、うんぶくるっごたったい
(うわぁ美樹ちゃんは、そんなモコモコした服を着て、服に埋もれるみたいじゃないの)

2)魚船に乗っとったら高波の来てかっ、うんぶくれるかて思った
(魚船に乗ってたら高波が来たので、溺れるかと思った)
うんべた 海辺 ”うみべた”とも言う。
私、先日つい職場で言ってしまいました。
でも、「うみべた」の方だったので周りは聞き流してたようです。アセッアセッ!
海に近くて井戸水を使用している家では、洗濯物が塩水の影響で黄ばんでしまうと言っていた。
私も小さい頃海の近くに住んでいたが、潮の満ち引きで井戸水の水位が変わったのは覚えている。

1)うんべただけん、車の錆てしもてこ
(うちは海辺だから、車が錆びてしまって困る)
ええくらい 酔っ払い 1)危なさぁ。ええくらいの、道路にねとらす
(危ないねぇ。酔っ払いが、道路に寝てる)
ええくらう 酔っ払う 1)空きっ腹で飲んだけん、ええくろた
(空きっ腹で飲んだから、酔っ払った)

2)あん人はさんつねぇ、どぎゃんのんだっちゃええくろわっさんもん
(あの人は酒が強いねぇ、どんなに飲んでも酔っ払わないもの)
 
*クロワッサンとは無関係です。
えしれん 知らない 1)犬の散歩しよったら、えしれん人の、チラシばれらした
(犬の散歩してたら、よく分からない人が、チラシををくれた)

2)外資系ん会社にはいったつぁ よばってん。えしれん国さん飛ばされらいやね
(外資系の会社に入ったのは、いいけれど。聞いた事もない国に飛ばされたら嫌だね)
おぅちゃっ ずるい
横着だ
ケンカ言葉だったり、悪口だったりします。
面倒くさがりの横着というよりも、ずるい、図々しい、ちゃっかりしてるの意味で使います。
知っていても、使わないほうがよろしいようです。
おかい、おかいさん お粥 関西弁みたいだけどね。

1)お腹ん痛から、おかいさんばか?
(お腹が痛いなら、お粥を炊こうか?)

2)おかいにゃ、な、はいっらん
(お粥には、貝は、はいってないよ)
*おやじギャグを書かずにいられない吉冨です。
おじる 降りる 1)かいだんだけん、ぼっとはよかったばってん、おじるはこかねぇ。
(階段が急だから、登るのは良かったけど、降りるのは怖いねぇ)

2)ねん、木かっおじりきらんきよる
(猫が、木から下りれなくて鳴いてる)

3)こんでホームさんおじりよっと、電車のづっけん、置いてかるっ
(この駅でホームに降りたりすると、電車がすぐ出るから、置いていかれるよ)
おすか 遅い おそい−おそか−おすか、と変化。

1)い時に約束したとに、おすねぇ
(1時に約束したのに、遅いねぇ)

2)もうおすかけん、らんで帰ります
(もう遅いから、(お宅には)寄らずに帰ります)
おそえる 教える 1)こっが分からんけん、おそえちゃらん
(これが分からないから、教えてくれないか)

2)あたじゃわからんけん、先におそえてもらいなっ
(私じゃ分からないから、先生に教えてもらいなさいな)
おっ ”おる”と同じ

1)おっがこけおっけん、行ってくったい。
(俺がここにいるから、行ってくれば。)
おったえて 急いで・慌てて・うろたえて アクセントを”おっ”にすると強調した言い方になる。
大して”おったえていない”とき(他人事に対して)は”え”にアクセントをおく。

1)目ん覚めたら8だったけん、おったえて起きたばってん間にうて良かった
(目が覚めたら8時だったので、急いで起きたけど間に合って良かった)

2)美樹ちゃんな、た遅刻だろか、おったてバス停さんきよらしたよ
(美樹ちゃんは、また遅刻だろうか、慌ててバス停へ、行ってたよ)

3)ま果は出とらんけん、おっゆん
(まだ結果は出てないから、うろたえるな)

否定の場合、「え」が「ゆ」に変化する。 *玉名出身Kさん提供例文
おっちょ オス メスは”めっちょ”
最近は、お年寄りくらいしか使わない。
おっとれる 外れる・とれる 大袈裟にした言い方。
取れたよりも驚きがこもっている場合もあるが、普通の程度でも使う。

1)安もんのふだけん、ボタンもうおっと
(安物の服だから、ボタンがもう取れた)

2)らん間にネジのおっととるよ
(知らない間にネジが外れてるよ)
おっとる 奪う・捕る・盗る 取ったというより「奪った」とか「盗った」というような悪事の意味合いを含む。

1)喉ん渇いとったけん、なりん庭かっミカンばっとって食べた
(喉が渇いてたから、隣の庭からミカンを盗って食べた)

2)駅前で自転車ばおっとれた
(駅前で自転車を盗まれた)
おてる 落ちる ”おてる”で使うより、過去形の”おてた”で使うことが多い。

1)かがおて
(紙が落ちたよ)

2)れがおてんつ、おもしばせといち
(これが落ちないよう、重石を載せといて)
おどん 現在では田舎のお年寄りくらいしか使う人はいない。
”おどん達・おっどん達(私達)”といった使い方は、かろうじて現役。
鹿児島だと”おいどん”になるのだろうが、鹿児島でも”おいどん”を使う人はいないそうだ。

1)おどんたちゃ、いっけん
(私達は、先に行くから)
おひめさん ものもらい 「おとひめさん」と言う人もいたような気がするけど・・・

1)目のごろごろすっておもたら、おひめさんのできとっ
(目がゴロゴロすると思ったら、ものもらいが出来てた)
おむか 重い 訛りですね。

1)あー、ペットボトルのむかけん、わりに持ってはい
(あー、ペットボトルが重いから、代わりに持って下さいな)


2)うわー、ちょっと からわんに、むなったねぇ
(うわー、ちょっとオンブしない内に、男になったねぇ)
*ウソです。「おむなった」は「homme(男性)になった」ではなく、「重くなった」です。
おめく わめく・大声を出す 1)そがんめかんでちゃこゆったい
(そんな大声出さなくても聞こえるってば)

2)めきよったら、のどんいとなった
(大声出してたら、喉が痛くなった。)
もさん たくさん・思いっきり 1)もさん、食べなっ
(いっぱい、食べなさいな)

2)久しかぶりの休みだけん、もさんあそんでくったい
(久しぶりの休みだから、思いっきり遊んで来なさいよ)
おる ”おる”とも言う。

1)おっくけん
(俺が行くから)

2)るがそっちにくるけん、用意しとって
(俺がそっちに行くから、用意しといて)
*自分が相手の居る所へ行くことを”来る”と表現するのも方言。
おろ− 少なく―、軽く―、少なめに− ”おろ”を動詞の前につける

1)ひば、おろ食たけん、ひだるなっ
(昼を、少なく食べたから、お腹すいた)

2)ウエスば、おろいうら、こかスカートばらしたけん、つか
(ウエストを、少なめに言ったら、小さいのをくれたので、きつい)
おろ 出来が悪い・良くない ”おろよか”と同じ
おろ 出来が悪い・良くない ”おろいか”と同じ 漢字に直すと”悪ろ良か”かな。

1)安モンはやっぱ、しのおろかね。
(安物はやっぱり、質が良くないね)

おわす 植える 「おえる」とも言う。

1)そこんにき、かぼちゃんなわしたけん、ようじんしね。
(そこの所に、カボチャの苗を植えたから、用心してね)

2)あそこんウチな、ねんじゅうはばきれーわしてあん
(あそこの家は、年中花をきれいに植えてあるね)
おわる 生える 1)どっかっ タの飛んできたっだろか。にヒマワリのおわっとる
(どこから種が飛んできたんだろうか?庭にヒマワリが生えてる)

2)永久歯ん抜けたっちゃ、また歯のわっとよばってんねー
(永久歯が抜けても、また歯が生えると良いけどね)

3)こん葉っぱにゃ、わしとっわっとっ
(この葉っぱは、植えたの?(勝手に)生えたの?)
か行 目次に戻る か〜こ
−か −い 基本の語尾が「い」で終わる形容詞などは、語尾を「か」に変化させて言う。
”早か(早い)””新しか(新しい)””高か(高い)””丸か(丸い)””無か(無い)”
「きれい」などは例外で”きれーか・きれいか”とする。

1)はかバスで来たとに遅刻した。
(早いバスで来たのに遅刻した。)

2)もう牛乳のかけん、わにゃん。
(もう牛乳が無いから、買わなきゃ。)

3)かわいか花の咲いとる。
(可愛い花が咲いてる。)
〜が 〜の 「我が母校」といった使い方と同じだが、口語で使うと混乱してしまう言い方だ。 

1)A:こらぁ、美樹ちゃんが自動ね? B:うんにゃ、誰がつらんよ
(A:これは、美樹ちゃんの自動車なの?B:いいえ、誰のものか知らないよ)

2)私が
(私の本が来た)

3)ら、美樹ちゃんちが庫だ
(あれは、美樹ちゃんちの車庫でしょ?)」
 
*これなどは絶対勘違いされそうだ。我が家は車庫ではありません!
かいか かゆい ”かゆか”とも言う。

1)冬はあの乾燥して、たいかいか
(冬は脚が乾燥して、とてもかゆい)
かかじる 掻く・引っかく 1)猫にかかじられた。
(猫に引っ掻かれた)

2)かかけん、あんまっかかじったらの出た。
(痒いから、あんまり掻いたら血が出た)
かくさん
(県西北玉名地方では)
おかみさん・奥さん

(県央・熊本市辺りでは)
おかあさん、母親
発音は、「拡散」と同じで、”さん”をやや上げて言います。”かくさん

熊本市出身Mさんより、”かくさん”は母親やお母さんの意味だとの情報を頂きました。
どうも、有難うございます。

熊本市辺りでは、その家のお母さんを”かくさん”と呼ぶようです。玉名地方では、子どもの有無に関わらず、家長夫人を”かくさん”と呼びます。
熊本と玉名の間にある金峰山を越えるときに変化したのでしょうか。これを熊本では金峰山の呪いと言い・・・・・・ません。
玉名の場合、親方や大将の妻・女将さんの意味なので、結婚初日から「かくさん」と呼んでもオッケーです。同じ語なのに少し意味が違うのは面白いですね。

吉冨はずっと「奥さん・おかみさん」の意味で使ってたので、熊本市の使い方は意外でした。県南、県東では、どう使うのかな?

*かくさんを「妻」の意味で使うAと、「母親」の意味で使うBの会話

A)おい、新婚。かくさんな、元かい?
(おい、新婚。嫁さんは元気かい?)

B)あぁ、こんげつぁおうとらんばってん、元
(あぁ、今月は(母と)会ってないけど、元気だと思う)

A)なぁん、別な?
(なんだい?(嫁さんと)別居なのかい?)

B)そんほうが楽てったい。
(そのほうが(母は)楽だってよ)

A)ほんなつね!さびしゅはなつね。
(本当かい!(嫁さんと別居で)寂しくはないの?)

B)最近にゃ、こがん人が多よ。
(最近は、こんな(親と別居の)人が多いよ)

A)へーっそがんもんたいねぇ。ちかごろん人はわからん
(へーっ(別居結婚か)そんなもんなんだねぇ。近頃の人は理解できないね。)
かしわ 鶏肉 九州では、鶏肉を”かしわ”とか”かしわ肉”とよく言う。

九州でも、柏餅は、もちろん柏の葉で包んだ団子です。鶏肉団子ではありません!
かずむ (匂いを)かぐ 1)昨日んしめは、にいばかずんでみばってん、どがんもなかたっよ。
(昨日のお煮しめは、匂いをかいでみたけど、どうもないみたいよ。)

2)食べもんばかずむと、行儀んわるかたい。
(食べ物を嗅ぐと、行儀が悪いよ。)


3)こっぱ、かずんでみて
(これを、いとこ同士で見て)  ←ウソです。「これを、匂ってみて」が正解
〜がた (何円・何日・何人)分 1)いちんちがまだして商売したとに、儲けは5千円がたかならんだった。
(1日頑張って商売したのに、儲けは5千円分にしかならなかった


2)こん鯛一匹で、さしむなら何人がたとれるかねぇ
(この鯛一匹で、刺身なら何人分取れるかなぁ)
かちゃごし 代わる代わる・交代交代で 1)カラオケに2人で行ったつぁばってん、
かちゃあごしたいよっと2時間もすっとレパートリーののうるね
(カラオケに2人で行ったのは良いけれど、
交代で歌っていると2時間もするとレパートリーが無くなるね)
かつがつ それぞれ、別々 1)今日はバイキングけいしだけん、かつがつ皿に取ってかっ食べてね
(今日はバイキング形式だから、各々皿に取ってから食べてね)
〜がつ(1) (誰それ)の(物) 誰それの所有物の意味
”〜がと”とも言う。

1)このペンは私がつかなぁ?
(このペンは私のかなぁ?)

2)さっきケーキばもろたばってん、美樹ちゃんがつはひとつ取っとったよ
(さっきケーキを貰ったけど、美樹ちゃんのはひとつ取っておいたよ)

3)こん本は美樹ちゃんがね?
(この本は美樹ちゃんの?)
〜がつ(2) 〜分(人数・重さ・金額など) ”〜がた”と同じ
かったり かっきり・かっちり・きちんと・抜け目無く 人の性格や行動について使う。
”かったりしとる”は、しっかりしてる、きっちりしてる、抜け目が無いの意味。
”かったり”だと、決まって(〜する)必ず(〜する)などの意味。
”かったり”を、”かったる””かったっ”と言う人もいる。

1)隣ん奥さんなかったりとらすけん、店ん割引スタンプ集めよらすし、
売り出し日とかでんなんでん 知っとらすよ
(隣の奥さんはシッカリしてるから、店の割引スタンプは集めてらっしゃるし、
売り出し日とかでも何でもご存知よ)

2)
あん人は、時間に正かだけん毎朝8時にはかったりばでらす
(あの人は、時間に正確だから毎朝8時には決まって家をお出になる)
がっぱっすっ がっかりする ”が、ぱ、す”って何の略語?って感じですが、よく言う使い方だ。

1)まぁた、あ、もう、がっぱっすっね
(又、雨、もうガッカリするね)
かっぽす 空っぽ、空洞 1)くろたばってん、なば虫にくわとってかっぽすだった
(栗を拾ったけど、中を虫に食べられてて空洞だった)

2)あたふーとかばってん、かっぽすだろ
(頭は大きいけど、空っぽでしょ)
かてる 加える 調味料を加える、仲間に加えるなどに使う。

1)日曜蘇に行くなら、私もか
(日曜日に阿蘇に行くなら、私も入れて)

2)煮込んで鍋ん味のこゆなったら、おばかててみて
(煮込んだら鍋の味が濃くなったら、お湯を加えてみて)
〜がと (誰それ)の所有物の意味、”(誰それ)の” ”〜がつ(1)”と同じ
かなわん 利かない・動かない 壊れたり調子が悪くて使えない役に立たないときに使う。ほぼ共通語ですが。
他に、敵わない(負ける、格下の意味)も「かなわん」というがコレとは別の言葉。

1)あんまっかけん、手がかなわんで字が書けん
(あんまり寒いから、手が動かないので字が書けない)

2)さかみで自動車ん調子のおかしゅなっちかっ、ブレーキのかなわんごつなって恐ろしかっ
(坂道で自動車の調子がおかしくなって、ブレーキが利かないようになったから恐ろしかったよ
がね 渡り蟹・蟹 特に渡り蟹や川蟹を指すが、食用蟹全般も指す。

1)ネば茹たけん、たべんね。
(蟹を茹でたから、食べないかい。)
がぶる 揺する・振る 相撲のがぶり寄りのがぶりです。方言と言うよりも古語が残ってるということですね。

1)ジュースは、よおとぶってかっ、のんじ
(ジュースは、よおく振ってから、飲んでね)

2)バケツはぶらんごつはこばんと、みずのこぼるっ
(バケツは揺らさないように運ばないと、水がこぼれるよ)
がまだす 頑張る・熱が入る 熊本弁というよりも九州弁。 

1)まだして働いていば建た。
(精一杯頑張って働いて家を建てた)

2)あん人はがまだしモンだけん
(あの人は働き者だから)

3)こぎゃんそまじがますねぇ
(こんな遅くまで頑張るねぇ)
かみん・かみげ 髪の毛 1)かみんば、きった
(髪の毛を、切ったの?)


2)かみば きろたっ
(髪の毛を切りたーい)
がめに 筑前煮 九州では、「がめ煮」と言う。
私は、あまり甘くないガメ煮のほうが好きだ(それは、どうでもイイね)

薩摩揚げは”てんぷら”や”つけあげ”と言うし、さつま芋は”からいも”
肥後の守は、そのまま”ひごのかみ”だね。
がめる 独占する
ねこばばする
ちょろまかす
方言でもないが、よく使うし、本来よりも広い意味を持っている。

1)ひとっめんで、みんなにもやんなさい
(ひとりで独占しないで、みんなにも上げなさい)

2)うちんインテリアは、ゴミ置き場かっめてきたもんかったい
(うちのインテリアは、ゴミ置き場から失敬してきたものばかりなんだよ)

3)本屋で、アイドル○○んカレンダーば「後自由にお持ち下さい」て書いて置いてあったけん、がめがめして来たってぇ
(本屋で、アイドル○○のカレンダーを「ご自由にお持ち下さい」と書いて置いてあったから、がっちり頂いて来ちゃたんだぁ)

*「がめがめする」という言い方は、ふざけて言う言い方で、一般的ではありません。
かゆる 変える ”変えると(変えたら、変えるの?)”の場合、”かゆると”に変化する。

1)あっ見よったとに、チャンネルかゆっといかん。
(あっ見ててのに、チャンネル変えたらだめ。)
からう 背負う・負ぶう 1)もかばってん、からとよか
(重いけど、背負えば大丈夫だろう)

2)こーまか子ふたりば連れとると、ひとばかろうて、ひとばベビーカーに乗せち大なぁ
(小さな子ふたりを連れてると、一人を負ぶって、一人をベビーカーに乗せて大変だね)


3)んにもつぁかろたっちゃもか。
(この荷物は、背負っても重い。)

4)よっぱらば、ひとっじゃからいきん。
(よっぱらいを、一人じゃ背負えない。)
しょっぱい、塩辛い 熊本というよりも、西日本の方言。塩気が強いことを「辛い」という。
塩気が薄いことを「甘い」ともいう。
唐辛子や胡椒が辛いのも「辛い」です。
かん こんな ”そん(そんな)”、”あん(あんな)”

1)かんとけ財布ば置いとっと、とらるっばい

2)ようみてみい、かんせな、かん
(よく見なさい、こんな風にしなきゃ、こんな風に)
かんなし 程度を知らない人・行為 1)金んあったらなしつかわすけんこまっ
(お金があったらきりが無くお使いになって困る)

2)さかばくれらしたのは、よかばってん、なしこうてこらしたけん、どがんしょうか。
(魚をくださったのはいいけど、程度ってものを知らずに買ってらしたのでどうしようか)
きっつぁする (身体が)辛そうにする 1)こんくらいの運動で、きっつぁすん
(コレくらいの運動で、辛そうにするな)

2)美樹ちゃんの、きっつぁよらすけん、荷物ば持ってやっ
(美樹ちゃんが、辛そうにしてるから、荷物を持ってあげて)
きなみ 玉子の黄身 黄色は「な色」
大豆の粉は「きな粉」(これは共通語ですね)
黄色い傘は「んなか傘」
白身は「しろみ」なので共通語通り。他に、”きいろか(黄色い)”とも言う。

*玉名出身Kさんの情報
これは古語の名残。
黄な粉は「黄なる・粉」
もちろん黄な色は「黄なる・色」だそうです。

1)ミカンばっか食べよったら、手のひらのきんのなった
(ミカンばっかり食べてたら、手のひらが黄色くなった)
びる くびる・くくりつける 1)きび団子ば、腰にびる
(きび団子を、腰にくくりつける)
  *ダジャレとしてはイマイチか・・・

2)まえがじぇらしかごたっけん、きびってや
(前髪がうっとうしそうだから、結んであげようか)

3)のかじかんで、くつひびりき
(手がかじかんで、靴紐を結べない)
きもいり 肝煎り、世話、尽力 特に方言でもないが、よく使う。
”肝煎りさん”は、世話人、音頭とりの意味。

1)こん祭りな、しばらくありよらんだったばってん、区長さんの肝いっで、今年かっ再開したったい
(この祭りは、しばらくあってなかったけど、区長さんの尽力で、今年から再開したんだよ)

2)どーそーかいにゃあだっか肝煎りさんのらんと、さっさんもん
(同窓会は、誰か世話人がいないと、なさらないもんね)
−ぎゃ (連体形)+に 買いに→かいぎゃ
飲みに→飲みぎゃ
ドライブしに→ドライブしぎゃ

1)朝っぱちかっ、なんしぎゃ行きよっ
(朝っぱらから、何しに行ってるの?)

2)朝っぱちかっ、なんしぎゃ 行きよっと?
(朝っぱらから、なぜ行ってるの?)

3)今度、遊びぎゃなっ
(今度、遊びにおいでよ)
きゃあ(1) うっかり・つい・ちょっくら 単独では使いませんが、失敗に気づいたときの第一声に使うことが多い。
特に驚きも無い平常の行いであっても付けることがある。

1)きゃあ忘れた。
(うっかり忘れた。)

2)きゃあ取れた。
(あらら、取れちゃった。)

3)わりにあたがきゃあ行こだい。
(代わりに私がちょっくら行くよ。)
きゃあ(2) 1)今日はきゃあじるばい
(今日は貝汁だよ)


2)きゃあがは、こん皿さんれなっせ
(貝殻は、そこの皿へ入れなさいな)
きゃあさめる (色が)褪せる・覚める ”きゃあ〜”は動詞の前につき、「つい、うっかり、ちょっくら」の意味を持つが、
特に色に対しての”きゃあさめる”は代表的な使い方だ。
類似語”うっさめる”

1)きゃあさた服ばきとんね
(薄ぼんやりした色の服を着てるね)

2)案内板の字の、の当たってきゃあさて、読まれんたい
(案内板の字が、日が当たって色あせて、読めないじゃない)

3)あんまっあつて、あさ時に目のきゃあさ
(あんまり暑くて、朝4時に目が覚めちゃった)
ぎゃん こんな(に)、そんな(に)、あんな(に) こぎゃん(こんな)、そぎゃん(そんな)、あぎゃん(あんな)
*玉名出身Kさんからの情報
「あげん・こげん・そげん・どげん」→大牟田市荒尾市玉名郡長洲町など県北西部
「あぎゃん・こぎゃん・そぎゃん・どぎゃん」→一般的な熊本弁

1)ぎゃんで、よ
(こんな感じで、いい?)

2)ぎゃんこっすっとあかん!
(そんなことしたらダメ!)

3)ミカば、ぎゃーんもろて、すんまっせー
(ミカンを、こんなにもらって、済みません)
きんうり キンショーメロン・キンショウメロン 黄色くてラグビーボールのような形の瓜です。きんなか瓜(黄色い瓜)から来てる呼び名でしょうね。
最近は品種改良されて、甘いものもあるようですが、昔はホントに甘くなくてメロンと言うよりも瓜でしたね。
韓国には、コレに良く似たチャメという瓜がある。チャメも同じく黄色だが、白い縦筋が入っている。
くだはい 下さい 1)こっば、くだはい
(これを、下さい)

2)スイカ切ってくだはーっ
(スイカを切って下さい)


ウェブ掲示板の用語や若者言葉程度の訛りですね。語尾の発音がいい加減であっても通じるので、言葉遊びをするように、新語が続々発生する。
くっぞこ 舌平目 くつぞこ(靴底)が訛った言い方。
熊本弁というよりも九州弁かな。

1)シタビラのムニエルゆうと、たいぎゃよか料理んごたっばってん、くっぞ焼いたっだろたい
(舌平目のムニエルていうと、相当高級料理みたいだけど、クツゾコ(舌平目)を焼いたのでしょ)
らすっ 殴る・一発喰わせる ”くらわすっ”と同じ。
りする ガッカリする 怒る気もしないくらいがっかりすること。
”がっぱっした(がっかりした)”以上の気分。”ぐらりきた”とも言う。

1)準備に一週間掛かったとに中止てだっけん、ぐらりすんね
(準備に一週間掛かったのに中止だそうで、ガッカリするね)
らわすっ 殴る・ぶつ ”くらすっ”とも言う。
脅したり、叱ったりするときに言う

1)まぁた、だまって盗っていった。らわせんとわからんごたっね
(また、黙って盗っていった。殴らないと分からないみたいだね)

2)そがん言うこときかんと、らわすっぞ
(そんなに言うこと聞かないと、叩くぞ)

3)よ出ていかんと、らすっぞ
(早く出て行かないと、一発お見舞いするぞ)
くる 行く 自分が行くことを、”来る”と言う。英語と一緒だね。

1)今かっおっくっけんまっとっ
(今から、俺が行くから待ってて)

2)こん続きは、明日きてかっすっけん、きょうなかんね
(この続きは、明日行ってからするから、今日は帰るね)
くろぢ・くろち 青あざ 1)さっき脚ば椅子にぶつけたけん、くろぢの寄った
(さっき脚を椅子にぶつけたから、青あざができた)
ち・家 他に、”あたがた(あなたの家・家族)”という言い方もある。

玉名出身Kさんより「”げ”は”がえ(の家)”が訛ったものであり、こ”え”は”家”」です。との情報がありました。

韓国語で「○○さんち」は 「○○シ(氏)ネ チプ(ネは家もしくは家族の意味)」、「○○さん宅」は、「○○シ テッ(テッを漢字にすると、邸)」と言う。日本語でも「○○さんち」の「ち」には家と家族の両方の意味がある。

1)美樹ちゃんげ、行ってくっ
(美樹ちゃんち、行ってくる)

2)田中さんのおばちゃんにミカンろた
(田中さんちのおばちゃんにミカンをもらった)
〜げな 〜だってよ 県北部あたりで使われている語。
相手に投げかけるとき語尾に付く語。「〜だってよ・〜だそうだ」という意味。

元々は福岡や佐賀など北部九州弁。
熊本の大部分では「〜てったい(〜てちたい)」を使う。

1)このげな
(木の葉だとさ)

2)いかんげな
(行かないそうだ)

3)くるで行くげ
(車で行くそうだ)
けまつれる つまづく 何かに引っかかって”けつまづく”ってことです。

1)どろみば、あたっか靴で歩くしゃが、けまつるったっ
(泥道を、踵の高い靴で歩くと、つまづきそうだ)
〜けん 〜(だ)から・〜だよ 単独では使いませんが「〜から」「〜なので」としての理由を表す使い方と、
「〜(したほうが良い)ですね」「〜(こうすると良い)よ」などと行動を促す使い方がある。

1)歩くがはかけん、ついていっきらん
(歩くのが早いから、ついていけない)

2)けんて、ウソちいてか訳なかろうもん
(だからって、ウソついて良い訳ないでしょ)

3)短い髪も似おうとるけーん。
(短い髪も似合ってるじゃない)

4)あめん降りうだけん、かば持っていったうがかけん
(雨が降りそうだから、傘を持っていったほうがいいよ)
こぎゃん こう・こんな(に) もちろん、コギャルとは関係ない。
略して”ぎゃん”とも言う。

タクシーのラジオCMで、客が行き先を
”ぎゃん行って、ぎゃん行って、ぎゃんぎゃーん行ったところ”
と言っても、OOタクシーなら大丈夫。といったのがあった。 

1)ぎゃん大きか魚ば釣ったよ
(こんな大きな魚を釣ったよ) 注:”ぎゃん”は身振り手振りしつつ言う。

2)こぎゃん行くと駅にちかよ
(こう行くと駅に近いよ)
こけ ここへ ニワトリの鳴き声ではない。
熊本弁には、助詞と直前の語がリエゾンする言い方が多い。

1)にもつぁ、こけきなっせ
(荷物は、ここに置きなさいな)
〜ごたる(1) 〜(し)たい ”〜ごたっ”とも言う。
動詞の勧誘形(行こう、買おう、見ようなど)から語尾の「う」を外し、”ごたる(ごとくある)”を付けると、なぜか自分の希望を表す言い方になる。面白いね。

1)外国旅行さんこごたんね。
(外国旅行へ、行きたいね)

2)一日がかりで作ったと壊れちかっ。もう、こごたる。
(一日がかりで作ったのに壊れてちゃって。もう、泣きたい。)

3)そろそろむかけん、かえろたっ。
(そろそろ眠いから、帰りたいね)


4)たまにゃ、映ば映画館で見よたる。
(たまには、映画を映画館で見たいな。)
〜ごたる(2) 〜ような、〜みたい ”〜のごたる”、”〜んごたる”などと、前に”〜の(〜ん)”が付く。
”〜ごたっ”とも言う。

1)おしんごたる家
(お城のような家)

2)ゆたっ話ばっかせんで、現実ばみんね。
(夢みたいな話ばっかりしないで、現実を見なさい。)
〜(した)こつ 〜(した)こと 発音によって”こっ””こん”となる場合もある。

1)ら、食べたこんなか
(これは、食べた事が無い)

2)たこつが
(来た事が無い)

3)一回おうたこつっよね
(一回会った事あるよね)

4)たこっある
(見たことありそう)
こっ これ ”こる”と同じ
こづむ 積む・積み上げる 1)米ぶくば倉庫にこんどって
(米袋を倉庫に積んどいて)

2)札たば、どぎゃんこずまれたっちゃ、っばてにらっさんだったたい
(札束をいくら積まれても、首を縦に振らなかったそうだよ)
〜ごつ 〜ように ”ごと”とも言う。語源は”〜のごとく(〜のように)”でしょう。

1)よかごつすったい
(好きなようにすれば)

2)うしなわんごつ、カバンにれときなっせ
(失わないよう、カバンに入れておきなさいよ)

3)あぁもうさんびゃくまでかぞえよったとに、分からんごとなった
(あぁもう300まで数えてたのに、分からないようになった
〜ごと 〜ように、〜みたいに ”〜ごつ”と同じ
-こなさん -きれない 1)食べこなさんなら、残しなっ
(食べきれないなら、残しなさいよ)

2)満員バスにりこなさんで、つぎんとに乗った
(満員バスに乗り切れなくて、次のに乗った)

3)1泊2日じゃ、どこでんいっこなさんけん、おしと温泉だけ行ってきた
(1泊2日じゃ、どこでもは行ききれないから、お城と温泉だけ行ってきた
こねる (手・足を)ひねる 単にひねるという事ではなく、
つまづいて、ひねるという怪我に対して使う。

1)あねたけん、い
(足をひねったから、痛い)

2)そがん、かかとんっかクば履くと、あぬっよ
(そんな、踵が高い靴を履くと、足をひねるよ)
大型の家蜘蛛 体調10センチ以上の、巨大な家グモを指す。
夜に、このクモを殺すと縁起が悪いという迷信がある。

卵を抱えたコブが、家の中に居ると考えただけで・・・。うー背中がゾワゾワするね。
こら これは 叱っている訳では無い。これは・・・こるは・・・こるぅあ・・・こら、と変化した。

1)こら、何のはいっとっと?
(これは、何が入ってるの?)
こらす いらっしゃる・おみえになる・来るの敬語 共通語だと来るを「こ」と読む場合、多くの場合後ろに否定後の「(こ)ない」「(こ)ず」が付くよね。

1)吉冨さんの迎えにこらしたよ
(吉冨さんが迎えにいらしたよ)

2)吉冨さんの迎えにきなはったよ
(吉冨さんが迎えにいらっしゃったよ)

3)吉冨の迎えにこらいたよ
(吉冨が迎えに来やがったよ)*これは、ぞんざいな言い方です。

4)吉冨さんな、なかなかこらっさん
(吉冨さんは、なかなかいらっしゃらないね)

「名詞+の」は「名詞+が」の意味です。”吉冨さんのお迎え”ではなく、”吉冨さんが迎えに”です。
こる これ ”こるば(これを)”は”こっば”
”こるが(これが)”は”こっが”
”こるに(これに)”は”こんに” と言う場合もある。


1)こるば食べなっせ、こっば食べなっせ
(これを食べなさいよ)

2)こるがよか、こっがよか
(これが良い)
こん この、これ、こんな 1)こんバスに乗っとよかよ
(このバスに乗るよいいよ)


2)こんごたっあっかイチゴばちぎっちね
(これみたいな赤いイチゴをちぎってね)
ごんぼ 牛蒡 ”ゴボウ巻き”は”ごんぼまき”
さ行 目次に戻る さ〜そ
〜さー 〜だねぇ 文字で表すとキザな言葉のようですが、これを平坦に熊本弁らしく発音すると感嘆の意味になる。
ほとんどの場合、形容詞の最後の「い」を”さー・さ”に変えればOK。
同じように形容詞の最後の「い」を「か」の変えることとで普通の形容詞が熊本弁になる。
南関東や沖縄の方言の「〜さぁ」とは使い方がチョット違う。

1)カバンのふとさー
(カバンが大きーい)

2)人形のかわいさー
(人形が可愛いねぇ)

3)こん花はうつくっさー
(この花は美しいねぇ)

4)聞いただけじこわさー
(聞いただけで怖いねぇ)

5)部んきたなさー
(部屋が汚いねぇ)

6)ゆ長さー
(指が長ーい)
さい出す 出す、差し出す 「さい」は出すに付く接頭語
「しゃあだす」とも言う

1)スん乗っとっときゃ、窓かっか手ばさい出すとい
(バスに乗っている時は、窓から頭や手を出してはいけません)

2)そんせんかっ、さいずっぶなか
(その線から、出ると危ないよ)

3)ヘばしゃあだとっと、風邪ひばい
(ヘソを出して寝てると、風邪引くよ)


*玉名出身kさん提供語・例文(一部)
さしむ 刺身 発音どおりに書くと、”さしm”語尾は口を閉じたmiとmの中間の音

1)こん鯖はあたらしかごたっけん、さしmにしょーか
(このゴマ鯖は新しそうだから、刺身にしょうか)

2)今日はあつかけん、さしmくらいがよか
(今日は暑いから、刺身くらいがいいな)
さしよっ さしあたって、とりあえず 「さしより」と同じ
さしより さしあたって、とりあえず 「さしよる」「さしよっ」などとも言う。
この「さしより」はよく使う。なんば言うときでちゃ、さしよっ言うとこだい。って感じ。訳:何を言う時でも、とりあえず言っときましょ

1)さしより、飲
(とりあえず、飲もうか)

2)さしよっこっでよか
(さしあたって、これでいいでしょ)

3)さしよりゃよかばってん、たたいふーのくっ前に、なおなん
(とりあえずは大丈夫だけど、また台風が来る前に、直さなきゃね)
さしよる さしあたって、とりあえず 「さしより」と同じ
さらく うろつく・ほっつき歩く ブラブラ歩くとか、ほっつき歩くなど、意味無く歩く様子に使う。
「さろく」とも言う

1)忙しかとに、こばさらいてきたんね
(忙しいのに、どこをほっつき歩いて来たの)

2)まだ用意ができとらんなら、そこらへんばらきよるけん、呼んで
(まだ用意が出来ていないなら、そこへんをブラブラしてるから、呼んで)
ーされて〜 −なさって〜 方言ではないようで、方言だよね。
私が熊本にいた頃は使ってなかったと思う。「〜させていだたく」などの奇妙な謙譲語が全国的に言われ始めた事と関係あるのかな?

他には、「こられてください(いらしてください)」、「みられてください(御覧になってください)」、「読まれてください(お読みになってください)」など。

1)是非も、参加されてください
(是非とも、参加なさってください)

2)熊本さん来なさったら、同級生も連絡されてください
(熊本にお越しになったら、同級生にも連絡なさって下さい)

3)ん予定ば、みられてください
(この予定表を、御覧になってください)
”みられて”と言われると、覗かれてるみたいで嫌だ!

聞きなれると「これの、どこが方言?」と思ってしまう。それが熊本弁の戦略?(^^;
「参加されてみては、どうでしょう」とか、「連絡されたら、いかがですか」と言った疑問形の場合は、違和感は無くなる。
さろく うろつく・ほっつき歩く 「さらく」と同じ
(あっち)さん (あっち)へ・(あっち)に こっちさん(こっちへ)
そっちさん(そっちへ)
どっちさん(どっちへ)
むこうさん(向こうへ)

1)お母さんは、どっちゃん行かした?あっちゃん走って行かしたよ
(お母さんは、どっちへ行かれたの?あっちへ走って行かれたよ)

2)あぁ、美樹ちゃん。そがんとこらんでこっちゃん来っせ
(あぁ、美樹ちゃん。そんなとこにいないで、こっちにいらっしゃいよ)


ちなみに、韓国語で”コッジャン”と言えば、「まっすぐに、ただちに」の意味。「コッジャン、カセヨ」は、「こっちへ貸せよ」と言いたいところですが、「まっすぐ、行って下さい」の意。
御方 1)こんし?
(何処の人?・何処から来た人?)

2)ここん?(ここの人?・地元の人?)

3)
(A)あんひは、こんし? ※「あんし」とは言わない。
(あの人は、何処の人?)

以下、答え方
(B1)天草んし
(天草の御方)
(B2)田中げんし
(田中んちの人
(B3)田中さんげん
(田中さんちの人、または、田中さんちに通ってる・遊びに来ている方)
(B4)(あの人が夫ならば)おるげんし、又はうちげんし 
(私のうちの主人、うちの人)
※夫が嫁さんに”おるげんし”とは言わない・・・。


以上、とぜんなかさん提供語&提供例文です。
私は聞いたことがない語なので、全面協力いただきました。有難うございます。
で、一体熊本県のどのあたりで使うのでしょうか?
「若い衆」などの「衆(しゅう)」の略語かなぁ。よく、分かりません。
しかぶる おもらしする さすがに最近使うことが無いので、私はすっかり忘れていた言葉。
かるっ (車などに)轢かれる 1)梅雨どきゃ、ビッキンの、ようくるまにかれとる
(梅雨時は、カエルが、よく車に轢かれてる)

2)車道にはみ出すかるっぞ
(車道にはみ出すと轢かれるぞ)
〜しぎゃ 〜(を)しに 1)下通りになんしぎゃ行くと?
(下通りに何しに行くの?)*下通りとは熊本市内にある大きなアーケード街

2)(A)ちょっとコンビニまじあしたんパンば買いぎゃ行って来て
(B)えーっ、もうパジャマに替えたとに、なんしぎゃ行かにゃんと?
((A)ちょっとコンビニまで明日のパンを買いに行ってきて)
((B)えーっ、もうパジャマに着替えたのに、何で行かなきゃいけないの?)


”なんしぎゃ・なにしぎゃ”には「何をしに」と「なぜ・どうして」の二通りの意味がある。
しきる できる ”できない”は”しきらん”という

1)しきね?
(出来るかい?)

2)きんね?
(出来るかい?)

3)やっぱきらんです
(やっぱり出来ないです)

4)しっきらっさんけん、てやって
(出来ない(人だ)から、やってあげて)
じじ 魚の幼児語 ”ぜぜ”とも言うらしい。*私は、ぜぜと聞くとお金と思ってしまう。
共通語では”とと”だろうけど、ととは実際使ってるのかな?

1)ほら、じのいっぱいおるよ
(ほら、お魚がいっぱいいるよ)

2)ちゃんと、じも食なんよ
(ちゃんと、魚も食べなさいよ)


*”じじ”は、庄内地方の幼児語ではネズミのことだそうだ。
じご 虫の中身 虫を潰した時に出る汁・内臓など
例文も書きたいけど、気持ち悪くなるので止めとく。

県南の人吉地方(球磨郡水上村)では、”じご”はお尻の意味だそうです。 
*玉名出身Mさんより頂いた情報
さらに追加情報で、お尻の穴は”じごんす”と呼ぶそうです。*これも玉名出身Mさん情報
玉名では”しんのす”と言ってたなぁ。お下品なのでこのへんで。。。
しちゃぁかちゃ めちゃくちゃ、あれこれ 噂話や悪口をアレコレ言う時や、物が乱雑に散ってる様子に使う

1)あんひらっさんておもて、しちゃぁかちゃ言いよると、帰ってこらばい
(あの人がいらっしゃらないからと思って、なんやかや言ってると、帰っていらっしゃるよ)

2)一週掃除せんだったら、いえんなん しちゃあかちゃたい
(一週間掃除しなかったら、家の中がメチャクチャだよ)
しっか すごく、一生懸命 ”しっかっ”とも言う

1)しっ勉強しけん、合格すっ
(一生懸命勉強したから、合格するよ)

2)てじな、しっかっみよったっちゃ、タネわからん
(手品は、しっかり見てても、タネは分からない)

3)あんひた、しっよかひだったもん
(あの人は、すごく良い人だったですよね)
ーして (形容詞)+くて 形容詞の語幹+お+して

1)こんスープは、かろてのさん
(このスープは、辛くてどうしようもない)

2)時間ののおして、答ん書けんだった
(時間が無くて、答えが書けなかった)

3)スピードのはして、わからんだった
(スピードが速くて、分からなかった)
しむ 沁みる 傷口が、薬や水で沁みるときなどに使う。

1)こん傷薬は、くばってんむねぇ。
(この傷薬は、効くけど沁みるねえ。)

2)めぐすむけん、けられん。

(目薬が沁みるから、目が開けられない。)
しゃあ おかず もちろんガンダムとは関係ない。

1)ばんめしんしゃあんな
(晩飯のおかずは何?)
しゃあつける 口出しする・注文付ける 差し出がましいこと、余計なお世話といった場合に使う。”しゃあちける”とも言う。

1)人んこつばっかしゃーつけんで、自分のこっせん
(人のことばかり口出ししないで、自分のことをしなさい)

2)かけん、しゃあちけん
(いいから、口出ししないで)
しゃく 穴じゃこ 熊本では、シャコよりも、干潟にいる穴じゃこをよく食べる
しゃん さん 人に付ける敬称「さん」

最近は、そうでもないが、昭和一ケタ以前生まれの熊本県人は、”さしすせそ”を”しゃしぃしゅしぇしょ”としか言えなかった。
今は、愛称として「○○しゃん」と言うことはあっても、普段、人を呼ぶ時に「しゃん」と言うことは、ほとんど無いですね。
じゅったんぼ ぬかるんだ田んぼ 稲を育てている状態の田んぼは、水を張ってたり、ぬかるんでいる田んぼを指す。

1)じでんしゃで田んぼさんつこけら、じゅったんぼだったけん、ようだいこったい
(自転車で田んぼへ転んだら、水を張った田んぼだったから、ひどい有様だよ)
しゅむ (味・色が)染みる 1)こん芋は、味のしゅんらん
(この芋は、味が染みてない)

2)泥はねのしゅんだとの取れん
(泥はねが染みたのが取れない)
じゅんだれ だらしない・ずり落ちる ”ずんだれ”と同じ
じょうとう 立派だ・上等だ 特に方言でもないが、よく使う言い方だ。

1)こら、じょうとうばい
{これは、立派(なもの)だよ}

2)こがん、じょうとうかもんば、らうわけにゃいかん
(こんな上等な物を、もらう訳にはいきません)

3)さいごまじ、しっきったけん、じょうとう
(最後まで、できたから、立派)
しょう 小用 1)しょうに いっくっ(小用に行ってくる)
お手洗いに行ってくるって事ですね。明治生まれの御婆さんが言ってたので、今、使う人は極少数かも。
しょんしょん 金山時味噌、もろみ味噌 ご飯泥棒ですね。もろキュウもいいね。
しょん しょうがない・どうしようもない 仕方なくは”しょんなし”

1)しゃあんなかなしょんなけん、しょんしょんでたぶっ
(おかずが無いなら仕方がないので、しょんしょん(金山時味噌)で食べるよ)

2)けたっだけん、しょんなたい
(負けたんだから、仕方ないじゃないか)
しらごつ 嘘、でまかせ ”しらごっ”、”しらごと”、”すらごっ”とも言う。

1)しらごつゆう
(ウソ言うな)

2)あやつぁ、しらごつばかっゆわっけん、しんじっあからん
(あいつは、うそばっかり言うから、信じたらいけない)


3)なーん、信じつや、あら、しらごばい
(えーっ信じたのかい、あれは、でまかせだよ)


*玉名出身Hさん提供語

*玉名出身Kさん情報 ”しらごと”を漢字で書くと「空言(事)」
しらごっ ”しらごつ”と同じ
しらごと ”しらごつ”と同じ
しわがれる しなびる、干からびる 「しわがれた声」の他、植物や生き物に対しても使う
「しやがれる」とも言う

1)みゃーち、てんきかっで、くさでんはなでんわがれてもうとる
(毎日、お天気ばかりで、草や花でも、しなびてしまってる)

2)うわぃさぁし、れいぞうこんなんリンの、わがれとっ
(うわっ、冷蔵庫の中のリンゴが、干からびてる)

3)みずしごつかっよったけん、てぇやがれち、ばばさんのたっ
(水仕事ばかりしてたから、手がシワシワになって、お婆さんみたい)


国語辞書には「しわがれる」は声に対して使うと載っていたけど、本当にそうなの?
方言として載せつつも、「しなびる事」を「しわがれる」と言わないのが信じられないんだけど・・・
しんどする 疲れる 関西弁の「しんどい」と同じ。
”しんどする”を発音する時「しんどすっ」となったり、「しんどした」など変化もある。

1)お客さんのおおかったけん、しんど
(お客さんが多かったから、疲れた)

2)自家用ていうても、とおかけんしんどすっでしょ?
(自家用車といっても、遠いから疲れるでしょ?)
すいか 酸っぱい ”すゆか”と同じ
「酸っぱく」は”すゆ”、”すゆく”と言う。

1)ば入れすたけん、す
(酢を入れすぎたから、酸っぱいね。)

2)ちん庭になっったミカンばってん、どぎゃん。すゆかね?
(うちの庭になってたミカンだけど、どう。酸っぱくない?)

3)つけもんのーゆなっとる
(漬物が酸っぱくなってるよ。)


JR東日本の運賃プリペイドカードは「酸っぱい」ってことになる!?
すいとる 好き・好いている ”しぃとる””しぃとっ”と同じ(使えない熊本弁へ記載)

1)どんケーキもすいとばってん、そがんたべきらんしねぇ
(どのケーキも好きだけど、そんなには食べきれないしねぇ)

2)あん映画は、たいぎゃすいとっ
(あの映画は、メチャクチャ好き)
すーすーすっ ひんやりする 笑える熊本弁(北部九州弁)の基本形 

1)いりぐちんそばだけんすーすーすっ
(入り口のそばだからスースーするね)


ちなみに、韓国語で「スルスルハダ(スルスルする)」は冷え冷えする、うら寂しいの意味。
すためる (水分を)減らす、切る、絞る 自動詞は”すためる”
他動詞は”すたまる”

1)かは、ようと水気ばすためてから玄関に入
(傘は、よく水気を切ってから玄関に入れてね。)

2)ろたタオルケットんみの、けすたまって、くれとるよ。
(洗ったタオルケットの水が、ここに垂れて、靴が濡れてるよ。)

3)バケツんみの、あんまっおおかとばっじゃすけん、ちょっとすためちかっとよかよ。
(バケツの水が、あんまり多いとこぼすから、ちょっと(水を)捨ててから運ぶといいよ。)
すっ する、やる 過去形では”した”なので、共通語と同じ。
命令形では、”せれ”、”せっ”、”せろ”
「しない」の場合は、”せん”


1)こりゃぁ、こぎゃんすっとよか
(これは、このようにするといいの?)

2)そうは、つすっ?
(掃除は、いつする?)
すつる 捨てる 訛り程度の方言ですね。”すつっ”という場合もあります。
「捨てる」の形でのみ使います。「捨てて・捨てた」は共通語と同じく”捨てて・捨てた”です。

1)ゴミばたぁだすつるといかん
(ゴミを適当に捨てるとダメ)

2)すつっなら一緒に捨てて
(捨てるなら一緒に捨てて来ようか)
すゆか 酸っぱい ”すいか”と同じ
すらごっ ”しらごつ”と同じ

*玉名のナガブーさん提供語
ずる 出る 日のいずる国の王子ってか!?

1)朝5時にずっけん、今日なっせ
(朝5時に出るから、今日は早く寝なさいな)

2)もうずるね?くるまでおくか?
(もう出るの?車で送ろうか?)
ずんだれる だらしない
ずり落ちる
”じゅんだれ”とも言う。
人を指して”ずんだれさん”や、略して”だれしゃん”とか言う名詞的な使い方もある。

1)あんひたぁたいぎゃ ずんだれとらす
(あの人は相当だらしないね)

2)あらあら、ズボンずんだれとるよ
(あらあら、ズボンがずり下がってるよ)」

3)れしゃーん、シャツのでとっよー
(ださいコちゃーん、シャツが出てるよー)

4)あれしゃんと一緒にあるこ
(あんなダサい奴と一緒に歩きたくない)
すんぬけた 抜けた・すり抜けた 訛り程度ですね。

1)こですんぬけか、わからんだったばってん、指輪んのうなっ
(どこで外れたか、分からなかったけど、指輪が無くなった)

2)どがん運転のじょうずらんばってん、混んだ道ばすん抜けてとおりよっと、あぶなかよ
(どんなに運転が上手なのか知らないけど、混んだ道をすり抜けて通ってると、危ないよ)
すんまっせん すみません 遅刻しそうなときは、”すんまっせん、少し遅れるごたっです。”と電話を入れよう。
さらに上級になったら、”すんまっしぇーん、少し遅るっごたっです。”です。
原形は「遅れるごと(ごとく)あるです」かな

1)すんまっせん、すくるっごたっです
(済みません、少し遅れるようです)
せっ しろ、やれ ”せれ”と同じ
せからしか うるさい、面倒くさい こなれた言い方をすれば”しぇからしか”になる。
うるさい、面倒くさい、うっとうしいの意味で使う。
韓国語では「シクロプタ」 

1)けん電車は、がくせーんおおかったけん、たいぎゃせからしかっ
(今朝の電車は、学生が多かったから、とてもうるさかった)

2)いっちょいっちょ箱に詰めるとは、せからしかー
(一つ一つ箱に詰めるのは、面倒くさーい)

3)あんひせからしもんだけん、きぃつけなっ
(あの人は、うるさがただから、気をつけなさいよ)


日本語の「せからしい=気ぜわしい」以外に、大きな音でうるさいの意味を含む。
共通語のような、気が短いや性急の意味では使わないと思う。
せかる 閉まる 1)なーん、ミカンばろでち持って行ったら、玄のせかっとった
(なんの、ミカンをあげようと持って行ったら、玄関(のカギ)が閉まってた)

田舎の家は、遠くまで外出するとき以外、玄関にカギをかけないからね。

2)こんかぎゃがう、カのせからん
(このカギは違う、カギが閉まらない)
せく 閉める 1)ちゃーんと、いりくちゃせいてきた
(ちゃんと、入り口は閉めて来たろうね)


2)ちょっとコンビニまじいってくっけん、玄関なせかんどって
(ちょっとコンビニまで行ってくるから、玄関(のカギ)は閉めないでいて)


入り口を”いりくち”と濁らないで言うのも方言
ぜぜ ”じじ”と同じ
せせる いじる・触る 「せせると」は「せせっと」とも言う。

1)せっかく並べたっだけん、せせらん
(せっかく並べたのだから、触らないで)

2)かばっかせせらんで、じっとせん
(髪ばっかりいじらないで、じっとしなさい)

3)にきばせせっと、よけいこなっよ
(ニキビをいじると、よけい赤くなるよ)
せびらかす 見せびらかす・気を持たせてからかう 「お金をせびる」のせびるとは違う語。 

1)ダイエット中ん人んまで、トンカツばせびらかしながらたぶっとしゃが、格おい
(ダイエット中の人の前で、トンカツを見せびらかしながら食べると、格別おいしいね)

2)ケーキばろたばってん、食べね?アッ、もうるとならたべんどぉ
まるといかんけん私がたぶんね。て、せびらかす。
(ケーキをもらったけど、食べる?アッ、もう寝るんなら食べないでしょう?
傷むといけないから私が食べるね。と、からかう。)
せれ しろ、やれ ”すっ”の命令形
”せっ”、”せろ”と同じ

1)しゃべっらんで、しごば、
(しゃべってないで、仕事をしろ)

2)れてわすけん、たばってん、わけくちゃわからん
(やれと言われたから、やったけど、訳分かんないよ)
せろ しろ、やれ ”せれ”と同じ
せん しない、やらない ”すっ(する)”の否定形

1)はよせんと、そなっ
(早くしないと、遅くなるよ)

2)う、せん
(もう、しない)

3)あーもう、どうせしっきらんけん、せんちゃよ
(あー、どうせ出来ないんだから、しないでよいの!)
せんぺ 煎餅 濁音が消える九州地方全体の訛りですね。
senbei ではなく、senpeとか senpeiと言います。

1)せんば、たべん
(煎餅を、食べないかい)

2)こんせんぺーな、けとったい
(この煎餅は、湿気てるじゃない)
そぎゃん そういう・そんな 1)そぎゃんこっすっと落とばい
(そんなことしたら落とすよ)

2)お腹一だけん、そぎゃん食べきらん
(お腹一杯だから、そんな食べられないよ)
そけ そこへ 1)そけ行きたかばってん、どがんすっとよか?
(そこに行きたいけど、どうすればいい?)
そすと そうすると、
そうなると、
そうしたら
微妙な方言なので、聞き逃し易いけど、訛ってる程度ともいえるね。

1)そすと、どぎゃんなっておも
(そうしたら、どうなると思う)

2)すと、よぁ。
(そうすると、いいかなぁ)
そずる (服や物が)痛む、古びる ”そぜる”と同じ
そぜる (服や物が)痛む、古びる ”そずる””そでる”とも言う
擦り切れたり、小傷が付いたり、壊れるほどではないが痛むこと。

1)お弁当箱やら雑誌やら入れけん、カバンのそこんそてきた
(お弁当やら雑誌やら入れるから、カバンの底が痛んできた)

2)こんソファな、よう座るとこばっかるたねぇ
(このソファは、よく座るとこばっかり痛んだねぇ)

3)ポロシャツばガンガン洗濯機でらいよったら、えのそてしもた
(ポロシャツをガンガン洗濯機で洗ってたら、衿が擦り切れてしまった)

4)こらお下がばってん、いっちょんとらんよ
(コレはお下がりだけど、全然痛んでないよ)

5)がたがたみ押していくと、スーツケーのそずるたっ
(荒れた道を押していくと、スーツケースが痛みそう)
そっ それ ”そる”と同じ
そでる (服や物が)痛む ”そぜる”と同じ
そら それは 「空」と勘違いすると、しばし悩むでしょう。

1)そら、よたべんと、ねまるよ
(それは、早く食べないと、腐るよ)

2)そら、拭いたって
(それは、拭いたのに)・・・空を拭いた???身長高いのね。という勘違いをしそうですが。
そる それ 1)そるば壊すと、しゅうじぇんのきかんよ・そっば壊すと、しゅうじぇんのきかんよ
(それを壊すと、修繕ができないよ)

2)そるがなかと、こまったい・そっがなかと、こまったい
(それが無いと、困るよ)
そろっと そおっと 1)ろかちおて、お兄ちゃんの部屋に行ったら、
勉強しよらした
けん、そろっと入って取って
(本を借りようかと思って、お兄ちゃんの部屋に行ったら、
勉強していたので、そおっと入って取ってきた)

2)仏壇ば拭くときは、金箔の剥げんごつそろっと拭いちね
(仏壇を拭くときは、金箔が剥げないようにそおっと拭いてね)
そん その、それ、そんな 1)そんとなりんとば、みせちくだはい
(その隣のを、見せてください)


2)そんごたっいろんふこうたよ
(そんなみたいな色の服を買ったよ)
た行 目次に戻る た〜と
たぁだ ただ・適当に 否定的に使うことが多い 

1)たぁだ机に向こうとっちゃ、覚えんよ
(ただ何となくで机に向かってても、覚えないよ)

2)美樹ちゃんに茶碗洗わすっと、たぁだあらわすけん、ご飯つの のこっとるたい
{美樹ちゃんに茶碗洗わせると、適当にお洗いになるから、ご飯粒が 残っているじゃない}
〜たい 〜ですね、〜ますね、〜じゃないの 1)たっか割りにゃあ、ようなかたい
(高い割には、良くないじゃないの?)

2)そん服はよか色たい
(その服はいい色だね。)

3)そら、たいたい
(それは、鯛だよ)

*済みません どうしても駄洒落を載せずにおられないのダ
〜だい 〜(し)ますよ 動詞に付ける語尾。動詞を「〜(し)よう」の希望形に変え、を「お」の段に変えて、「だい」を付ける。

1)あがいそがしかな、あたしがこだい。
(あなたが忙しいなら、私が行きますよ。) *行く→行こう

2)もうちょっとやすなんなおだい。
(もうちょっと安くなるなら、買いますよ。) *買う→買おう

3)えんちさん帰ってかっ、見よだい
(家に帰ってから、見ますよ) *見る→見よう

4)さめけん、ぬくめちかっ食べよだい
(冷めたから、温めてから食べますよ) *食べる→食べよう
 
たいが とても ”たいぎゃ”と同じ
たいぎゃ とても・非常に ”たいが””たいな”とも言う。

1)こっば食べてみなっせ、たいぎゃおいしかけん
(これを食べてみて、とっても美味しいから)

2)たいぎゃあくしゃうっ
(非常に呆然とした)


3)あんひたたいぎゃおもしっかけん、たいなわらうけん
(あの人すごく面白いから、メチャクチャ笑っちゃうよ)
タオラー タオルを首に巻いた人 夏場、首にタオルを掛けている人。(有名ブランドのタオル利用者多し)巻き方は矢沢永吉みたいにタラリと垂らす。
1990年前後に、熊本の高校生の間で流行った。スポーツタオルではなく、普通サイズのフェイスタオルを使う。

特に制服を着たまま巻いて歩くのがオシャレとされていた。
ジベタリアンにも通じる、バンカラ、人目を気にしない態度がカッコイイって事だったんだろうね。

その後、1995年前後には、宮崎の高校生にも流行が飛び火した。
たかまっ 高い所 ”たかまり”と同じ
たかまり 高い所 ”たかまっ”、”たかまる”とも言う

1)ネん、いちくわんごつ、たかまりさん おいとなん
(ネコが、食べないよう、高いところに 置いておかなきゃ)

2)だーにたかまっさん上げとったら、たぶっ忘れとったたい
(大事に高いところに上げておいたら、食べるのを忘れてたわ)

3)うちはたかまだけん、大水でん安心たい
(家は高い所だから、大水でも安心だよ)

4)たかまりじくっと、やっすず

(高いところに来ると、やっぱり涼しいね)

5)なーご、ハば開けとらんだったばってん、たかまりに追いとったけん、カも生えとんね
(長く、箱を開けてなかったけど、高いところに置いてたから、カビも生えてないね)


*玉名のYさん提供語
たかまる 高い所 ”たかまり”と同じ

*玉名のナガブーさん提供語
たぎる 沸く お湯や料理が沸騰したりすること。煮えたぎるというほどグラグラしていなくても「たぎる」と言う。
「たぎる」はとりたてて方言とは思わないですが、よそではあまり使わない語なのに、
熊本では日常的に使っているので方言として載せてみた。

1)おぎったらば茹でよっ
(お湯が沸いたら麺を茹でていて)
だご(1) 粉をこねて作った食べ物 一般的な団子も”だご”だが、お好み焼きやスイトン、たこ焼きなど粉を捏ねて作った食べ物の総称。

1)焼きダば食べていかんね。
(お好み焼きを食べていかないか。)

2)ひが だごだけじゃ はらんすねぇ。
(昼が粉物だけじゃお腹が空くねぇ。)
だご(2) 零点、ゼロ ”だごんごつ(団子のように)”は、逆に「うんざりするほど沢山」の意味。

1)きょおん試合はダだった。
(今日の試合は零点だった。)

2)雪んったけん今日の売り上げはダたい。
(雪が降ったから今日の売り上げはゼロだよ。)
だごばち スズメ蜂 ダンゴ蜂とも言う。
県北では使っていたが、全県では不明。
だごんごつ とても ”まうごつ”と同じ。呆れるほど沢山、の意味。

1)つりだけんて、巻き寿司てろ稲荷寿司ろん、だごんごつ作っとらして食べこなさん
(祭りだからって、太巻きやら稲荷寿司だの、うんざりするほど沢山作ってあって食べきれない)
−(し)たっちゃ −(し)ても 1)電話じゃわからんなら、見にきたっちゃよかよ
(電話じゃ分からないなら、見に来てもいいよ)

2)きれいになおっとるけん、ちょっと見たっちゃわからん
(きれいに直ってるから、ちょっと見ても分からないね)

3)あたしゃペーパードライバーばってん、田舎ん道ら運転したっちゃ
(私はペーパードライバーだけど、田舎の道なら運転してもいいよ)
だっ ”だる”と同じ
たまがる たまげる、びっくりする 1)たばるざば通りよったら、蹄の音んしけん、たまがって帰って来たたい。
(田原坂を通っていたら、蹄の音がしたから、たまげて帰った来たよ。)

*田原坂は熊本県北西部にあり西郷隆盛などが戦った西南の役の合戦場
だらしか だるい 1)からだんらしかけん、よてよか
(身体がダルイから、休んでいいかなぁ)

2)棚ん理ばよったら、うらしゅなった
(棚の修理をしてたら、腕がだるくなった)

3)こがんあつかひのづくと、からだんだらしゅなんねぇ
(こんな暑い日が続くと、身体がだるくなるねぇ)
だる 語尾によって”だっ”や”だん”と変化することもある。

1)あんひたぁ、だるだったかい?・あんひたぁ、だっだったかい?
(あの人は、誰だったかい?)

2)つぎゃだるね、つぎゃだっかい、つぎゃだん
(次は誰?)

3)あら、だんな?
(あら、旦那) *ウソです。(あれは、誰?)の意味です。
〜だろ 〜なぁんて思ったでしょ これは、相手が今思ってることを想像して言い「なぁんて思ったでしょ」とか
「だったりしてね」と言った風に冗談めかす時につける語です。

1)あっ、美樹ちゃんーキば食べる?美樹ちゃんな
『チェッ、だるにも見つからんなら、1人で食べてしまおうておもったってねぇ』だろ?
(あっ、美樹ちゃんケーキを食べるの?美樹ちゃんは
『チェッ、誰にも見つからないなら、1人で食べてしまおうと思ってたのになぁ』って思ったでしょ)

2)なん?もう帰ってきた?『一郎んのいそしかけんデートは中』だろ。
(何?もう帰ってきたの?『一郎君が忙しいからデートは中止』ってね。)
〜だん なのよ、だよ、だもん 「〜ばん」と同じ
相手が言ったこと、やったことに対して「実はこうだよ」という意味合いを持たせる言い方

1)A「もうらんと、起きりきらんよ」、B「なん、あしな、こないだん代だん。だよ。」
(A「もう寝ないと、起きれないよ」、B「いや、明日はこの間の代休日だもん。まだ良いよ。」)

2)A「そん本な、置いてなん」、B「うんにゃ、こら姉ちゃんらしたっだん」
(A「その本は、置いてかなきゃ」、B「いいや、これは姉ちゃんがくれたんだもん」)

3)A「いまん電話んひたぁ、たいぎゃ感じん悪かった」、「吉冨さん?あんひた、いっでんぎゃんだん」
(A「今の電話の人は、相当感じが悪かった」、「吉冨さんでしょ?あの人は、いつでもそうなのよ」
たんぜん 丹前、どてら 訛って言えば”たんじぇん”

冬になったら、たんぜんとコタツだね。”どてら”よりも”たんぜん”と呼ぶ事が多い。
九州で”たんぜん”と言えば久留米絣の綿入り丹前の事。
ーち ー(し)て 動詞+ち ”ち”に影響されて、直前の語の母音が”イの段”に近い音になる。

1)かば、みーちはいよ
(柿を、剥いてくださいな)

2)場は、電話できーちかっ行っちね
(場所は、電話で聞いてから行ってね)

3)むかけん、ちっとちかっすったい
(眠いから、ちょっと寝てからするよ)

4)コば、うっつぁん、とどちくだはい
(米を、ウチに、届けて下さい)
ぢかぢかすっ ちくちくする これを方言と言っていいのかは・・・

1)こんセータな、ぢぢかすん
(このセーターは、ちくちくするね)

2)ヒゲんかぢかすっけん、剃なん
(ヒゲがちくちくするから、剃らなきゃね)

3)マジックテープんぢかぢかんほうですれちかっ、ジャケットん毛羽立ったい
(マジックテープのざらざらの方ですれて、ジャケットが毛羽立ったよ)
ちかまり 近く 1)なん、そがんとこらんで、もっとちかまりいで
(なによ、そんな所にいないで、もっと近くにおいで)

2)ちかまりにベンチのあったけん、やすんどった
(近くにベンチがあったから、休んでた)
ちっきれる 切れる、ちぎれる ”ちんぎれる””つっきれる””つんぎれる”と同じ
(あっ)ちゃん (あっち)へ ”(あっち)さん”と同じ
ちゃんから ポンコツまたはいいかげんな物・人 ちゃんからくるまは、ポンコツ車。
ちゃんからさんは、いいかげんな人のこと 

1)こんちゃんから自転車にのっとはこわか
(こんなボロイ自転車に乗るのは怖い)


不覚にも私「ちゃんから」の意味を忘れてました。
友達から「ウチのは、ちゃんから車だけん」と言われ、「ちゃんからって何だっけ?」と聞き返してしまった!!!かなりマズイです。
ちょうじょう ありがとう 漢字にすると”重畳”だそうだ。重畳の「この上も無い」という意味で使う。
*Hさん提供情報。
しかし、私は聞いたことがないし、現在使ってる人は少ないんじゃないかな。
ちらし寿司 五目ちらし寿司 ”ばら寿司”と同じ

西日本には、酢飯に刺身が乗ったいわゆる「ちらし寿司」はあまり無く、
刺身が乗っていない「五目ちらし」の事を「ちらし寿司(バラ寿司)」と言う。

関東で「江戸前ちらし寿司」を見たとき「ちらし寿司なのに生魚が乗ってる!!」と、びっくりした。
その他、西日本の稲荷寿司は、五目いなりが普通。
ゴマだけ入った酢飯の稲荷寿司を食べると、ちょっと悲しくなる。
ちんぎれる ちぎれる ”ちっきれる”とも言う。

1)雑誌ばびってゴミ捨て場にいきよったら 紐のちんぎれた
(雑誌を縛ってゴミ捨て場に行ってたら 紐が千切れた)

2)
メモ用紙のかけん、ちょっとートばちっきって、ろてか?
(メモ用紙が無いから、ちょっとノートを千切って、もらっていい?)
つ・つぅ かさぶた 最近怪我したりだの傷を作っただのしないので忘れていたが、
そうそう言ってた使ってた、方言。
方言提供者:友人のM田さん

1)せっかく治りかけとったとに、つぅの取の出た
(せっかく治りかけてたのに、かさぶたが取れて血が出た)
つこかす 落とす、倒す 1)カバンのファスナーのあいとって、こさんか、財ばつこかしたたっ
(カバンのファスナーが開いてて、どこにか財布を落っことしたみたい)

2)そがんいっぺんに皿ばもってくと、つこかばい
(そんなに一度に皿を持っていくと、落とすよ)

3)はい、つこかさんごつ運ん
(はい、落とさないように運んでね)

4)ゆんビール瓶ばつこかしたら、中身のはいとったい、雑誌のれてしもて、たいぎゃ焦っ
(床のビール瓶を倒したら、中身が入っててね、雑誌が濡れてしまって、かなり焦ったよ)
つこける ころぶ、倒れる コケルってことです。

1)つこて、ひばすりむい
(ころんで、膝をすりむいた)

2)あめん降りよるけん、つけけんごっ気をつけなっ
(雨が降ってるから、転ばないよう気をつけなさいね)
つっかぐ 欠く、折る 1)ガネん理して取りよったら、しばつっかいだ
(蟹の身を無理して取ってたら、箸を折った)
つっかげる 欠ける、折れる 1)ちゃわんらいよったら、手のすべって落とたけん、つっかた。
(茶碗を洗ってたら、手が滑って落としたので、欠けちゃった)


2)らんうちに、虫歯んつっかげとった
(知らないうちに、虫歯が欠けていた)
つっきれる 切れる ”つんぎれた”と同じ
単純に切れるという意味ですが、少々オーバーにいう言い方。

1)携帯ストラップの金具のとこかっ つっきれた
(携帯ストラップの金具のとこから 切れた)


2)そがんひっぱと、つっきるったい
(そんな引っ張ると、切れるよ)
つっぽぐ 穴が開く ”ほがす”と同じ
つっぽげる 穴を開ける ”ほげる”と同じ

1)そこんにきゃぁ、板んくさっとるけん、やたら乗っつっぼぐばい
(そこの辺りは、板が腐ってるから、やたら乗ると穴を開けちゃうよ)

2)空焚きしたけん、なべんつっぽげた
(空焚きしたから、鍋が穴が開いた)

3)そがんおもかもんば置くと、ゆかばつっぽがすごたっ
(そんな重いものを置くと、床を突き破りそう)
つんきっだごじゅっ 団子汁・すいとん 団子汁のことは、”だんごじる”、”だごじる”、”だごじゅる”とも言う。
小麦粉を捏ねたものを、千切って(つんきって)作った団子の汁だから”つんきっダゴ汁”
”つんきっただんごじる”が訛った語。

1)今日はさかけん、つっきっだごじゅっしょう
(今日は寒いから、団子汁をしようかね)
つんぎれる 切れる ”つっきれる”と同じ
つんなう 伴走する・追いついていく 1)あしん疲れたばってん、つんのていかんと、道にまうけんがんばにゃ
(脚が疲れたけど、連れ添って行かないと、道に迷うから頑張らなきゃ)

2)3歳がパルパルって走と、もうつんないきれん
(3歳児が全速力で走ると、もう追いついて行けない)

3)久しかぶにピアノばなうばってん、初心者コースじゃ恥ずかしか
中級コースに入ったら、つんのて行ききらん
(久しぶりにピアノを習うけど、初心者コースじゃ恥ずかしいだろうと中級コースに入ったら、
ついて行けないワ)
つんぶらう (服や紙などのゴミを)振り払う 「つむ(接頭語)+払う」だと思いますが、泥やホコリを手ではらいのける時に使います。
もしかしたら接頭語の「つん」は摘む(つまむ)かもしれない。

吉冨(玉名南部)としては、空気中でバサバサ振ったり、手でパンパンとはたいて汚れを振り払うことを指す。

1)なーん、お菓の落ちたぐらいで。つんぶらうなまだ喰わるっタイ!
(なぁに、お菓子が落ちたくらいで。泥を掃えばまだ食べられるよ!)
*例文とは言えマジですか(^^;

2)わっまに、ゴつんぶらわんと、ふごるっよ
(座る前に、ゴザをバサバサと振らないと、服が汚れるよ)
*今どき、ゴザは使わないとは思うけど、レジャーシートよりもゴザの方が”つんぶらう”のに相応しいかと存じます。

3)屋根ん裏さんぼったけん、あたにクモんのついとらんか?ちょっとつんぶら
(屋根裏に上ったから、頭にクモの巣が付いてないかな?ちょっと振り払おうっと)

4)かんとこで、つんぶらわんで!ホコリん舞うたい
(こんな所で、バサバサやらないで!ホコリが舞うじゃない)


玉名出身Kさん提供語、用法、一部例文
〜で 〜応え 飲みで(飲み応え)、使いで(使い道)

1)一升瓶入りジュースは、やっぱ飲みでんあっ
(一升瓶入りジュースは、やっぱり(なかなか減らずに)飲み応えがあるね)

2)徳用サイズのセンにゃ、たべでは、あっばってん、飽きてくん
(徳用サイズの煎餅は、食べ応えはあるけど、飽きてくるね)
できん ダメ・出来ない ”でけん”と同じ
でけん だめ・できない 1)そがんことしたら、でけん
(そんなことをしたら、駄目)

2)明日まじ でけんと できん
(明日までに 出来ないと 駄目だよ)

3)あーもう、でねぇ
(あーもう、ダメねぇ)
 *呆れた時に使う
(しょう)で
(しょう)でち
(しょう)でっ
(しよう)と それぞれ、”(しよう)で”、”(しよう)でち”、”(しよう)でっ”とも言う。

1)美樹ちゃんのそかけん、きいかでちよったたい。
(美樹ちゃんが遅いから、先行こうかとしてたよ。)

2)道のおっとったけん、つこけようでっした。
(道が凍ってたから、転びそうになった。 *直訳すると、転ぼうとしちゃった。)

3)ご飯ばこで思いよったら、お父さんのベントばこうてこらした。
(ご飯を炊こうと思ってたら、お父さんが弁当を買っていらした。)
〜てちたい
〜てったい
〜だそうだ ”〜てったい”をよく使う。”〜てたい”とも言う。

1)電車ん遅れとってったい。
(電車が遅れてるそうだ。)

2)こん前、猫ん子のまれたてちたい。
(この前、猫の子が生まれたってよ)

3)あおすかったけん、ひらんてたい。
(朝が遅かったから、昼(ご飯)はいらないってよ)
〜(し)てむったい 〜(し)てみたら? ”〜してみるたい(してみなさいよ)”のこなれた言い方です。
”してみたら、どうだった”といった結果に対する原因の意味は無く、勧誘の意味だけです。

1)ってむったい
(行ってみたら?)

2)いてむったい
(聞いてみれば?)

文頭にアクセントがあると、イラついてたり、怒り口調な感じになり、
文末の「たい」にアクセントがあるとソフトな感じです。 

3)読んでむったい
(読んでみたら?)

4)食べてむったい
(食べてみたら?)
−でん −でも、−も 1)いっでん、よかけん、取りにきなっ
(いつでもいいから、取りにおいでよ)

2)そんくらいの英語なら、あたしでんくっ
(それくらいの英語なら、私でも出来るわよ)

3)今日いそがしかなら、明日でんよかよ
(今日忙しいなら、明日でもいいよ)

4)どしゃぶっで、スカートでん上着でん、みすたまりよる
(どしゃぶりで、スカートも上着も、水がしたたってる)
〜と?
〜と(です)
〜(な)の?
〜(な)の(です)
”〜と”や”〜とね”で文が終ると疑問や断定を表す。
共通語の「〜よね?」「〜なの?」に近い意味合いで使う。
形容詞および動詞の後に付きます。
”と”の後に続く文がある場合「〜の」「〜ん(です)」といった語を整えるための語。 

1)行くと?
(行くの?)

2)おっとだろ?
(居るんだろう?)
 *もちろん妻にも使えます。

3)こっで、よかね?
(これで、いいの?)


4)もうずっよ、テレビは切らんね
(もう出るのよ、テレビは切りなさい)


5)最近な、いそがしかでっしょ
(最近は、忙しいのでしょ?)

6)もう、帰るです
(もう、帰るんですか?)
〜ど 〜だろう
〜だよね
相手に問いかける場合は、「〜だよね。」といった確認で用い、確実の意味を含む。
問いに答えたり、自分の意見の場合は、言い方によって5分5分の意味だったり、
確定の意味だったりと変化する。

1)昼ごはんはデパーに着いてっでよか
(昼ごはんはデパートについでからでいいでしょ?)

2)日曜日は用事ん無かなら、おるどぉ
(日曜日は用事が無いなら、いるんじゃないかな?どうかなわからないよ:5分5分の割合)

3)日曜日は用事ん無かならるどぉ
(用事が無いなら、いると思うよ。:9割以上)
〜どがいた 〜でしょ?、〜でしょう? ”〜ろがいた”と同じ、” 少し乱暴な言い方では、”〜どが”、”〜ろが”
相手に念を押す表現
動詞、形容詞の後に「どがいた」「ろがいた」

1)かんれち、こんボタすどがいほすとしゃがなぁファックくらるっとたい
(紙を入れて、このボタンを押すでしょ。そうするとFAXを送られるんだよ)

2)あーさっオモチャこうたろがいた、もうお菓こうられん
(あーもう、さっきオモチャを買ったでしょ。もうお菓子は買ってあげられない)

3)さいそくんでんわんきたい。けん、ゆうたどがいた、よいなん
(催促の電話が来たじゃない。だから、言ったでしょ、早く行かなきゃ)

4)美樹ちゃんな、さっがんなたべたが、おしゃ食ぶん
(美樹ちゃんは、さっきご飯は食べたでしょ、お菓子は食べるな)

5)ぎゃんいんでん、リボンばつくっとかわいか
(こんな犬でも、リボンを着けると可愛いでしょ)


*玉名出身Kさん提供語・提供例文(一部)
どぎゃん どう 「ドタキャン」の意味はない。 
”どがん”とも言う。

1)どがんですか
(どうですか)

2)どぎゃん
(どう?)

3)どがん
(どう?)

4)どがん
(どう?)

5)どぎゃんすっとよか
(どうするといい?)
どぎゃんもこぎゃんも どうもこうも 1)どぎゃんもこぎゃんも、わけくちゃわからん
(どうもこうも、訳が分からない)

2)う、どぎゃんこぎゃん、できんたい
(もう、どうもこうも、出来ないわよ)


3)どぎゃんこぎゃんヤたい
(どうもこうも、めちゃくちゃだよ)
とぎる 尖る・尖らせる・研ぐ 「鉛筆とぎり」は、鉛筆削りのこと

1)ようととぎった鉛筆ばちょうだい
(よく尖った鉛筆を下さい)

2)なぁんか切れんておもたら、刃のとぎってなかもん
(何か切れないと思ったら、刃を尖らせてないもん)


玉名出身Kさん提供語
どけ どこ、どこへ 「どけ」といっても、「そこを、どけ」とは別の意味なのでご注意。

1)定規はけあっと?
(定規はどこにあるの?)

2)けいった
(どこに行ったの?)

3)ハサは、どや?
(ハサミは、どこなの?)
どけだっ 毒々しい・こってりしている 胸焼けしそうな位くどいという意味。

1)最近のお菓子はどっも甘さ控えばってん、
田舎んお菓子はいまでん、たいぎゃどけだっかごつ甘か。
(最近のお菓子はどれも甘さ控えめだけど、
田舎のお菓子はいまだに、ずいぶん毒々しいように甘い)

2)*原色が入り混じったジャケットを見て一言。*
るが着る?こぎゃんどけだっか色ん服。
(誰が着るの?こんな胸焼けしそうな色の服)
とごえる ふざける・調子に乗る 子どもの頃、「とごゆんな(ふざけるな)」と、叱られたものです。
大人になっても「とごゆんな」と言われるのは、ウソをついても、しらばっくれてる時でしょうか。
いずれにしろ、こんな語で叱られるのは無いに限る。

1)お客さんのおおかけんて、ごえてかっ。いいかげんにせん
(お客さんが多いからと、調子に乗ってから。いい加減にしなさい)

2)じっとせんね。いつまでとごえよっと!たにいいよっとたい
(じっとしなさい。いつまでふざけてるの!あんたに言ってるのよ)
どしあたりする 押し合いへし合いする 芋の子を洗うような人ごみを表現するときに使う

1)今日なんかあったつだろか、デパーん、どしあたりするごつ混んどったよ
(今日は何かあったのだろうか、デパートが、おしくらまんじゅうするみたいに混んでたよ)

2)こんお宮さん、お正月にくっと、ひどしあたりするごつ多かよ。
(この神社に、お正月に来ると、人が押し合い圧し合いする程多いのよ)

3)人ん集まり過ち、ステージまな、どしあたりしよったい
(人が集まり過ぎて、ステージ前は、押し合いへし合いしてるよ)
ーとしゃが ーさえすれば
−さえみれば
前の語を強調する語

1)行くとしゃが、わかる
(行ってみれば、わかるよ)

2)暇な、来るしゃがよか
(暇なら、来てみれば良いよ)

3)泣くとしゃが、ゆるしてもらゆっておもてかっ
(泣きさえすれば、許してもらえると思って)

4)まが立つしゃが、後は見えんたい!
(前の人が立つと、後ろの者は見えないじゃないか!)

5)あたしゃ準備万ばってん、スの遅れんしゃがよかばってん
(私は準備万端だけど、バスが遅れさえしなければ良いけどねぇ)
としよる 年を取る 1)あんおばさんも、最近としよらしたねぇ
(あのおばさんも、最近年を取られたねぇ)

2)しんいたかー、あたしいよいよったね
(腰が痛い、私もすっかり年を取ったね)


「年寄る」も、もちろん共通語だけど、「年を取る」を一般的に使うから方言認定。
ぜんなか 拠り所が無い・退屈で寂しいこと・手持ち無沙汰 「とぜが無い」ということだろうけど、「とぜ」を共通語に直すのが難しい。渡世なのかな?
と思っていたところ、小中学校と同窓のY田さんから
「徒然」ではないかというアドバイスをいただきました。ありがとうございます。

1)新幹線で大阪までかなんばってん、ぜんなかて思いよったら、
ちょう
ど広島じ行く友達のっとらしたけん良かったぁ
(新幹線で大阪まで行かなきゃいけないけど、1人で寂しいなと思っていたら、
丁度広島まで行く友達が乗っていたので良かった)
どっきりする 脂っこいもの、甘すぎるもを食べて気持ち悪くなる・胸焼けする どっかりするとも言う。
くどくて、うんざりすること。

1)あそこんぜんざいな、は多すぎっけんどっきりした
(あそこのぜんざいは、量は多いし甘すぎるから胃にどっしりと来た)

2)豚そくわぁおいしかばってん、あでどっきりすんね
(豚足はおいしいけど、後で胸焼けするね)

3)そんケーキな、ゴテゴテしとって、見ただでどっかりくっ
(そのケーキは、ゴテゴテしてて、見ただけでうんざりする)
とつけみにゃー とんでもない 予想外でかなり驚いたような事態に使う

1)こんコは、人が見よらんと思たら、とつけみにゃーこっばっかしよる
(このコは、人が見てないと思ったら、どんでもない事ばかりしてる)
とっぱー 女性の短いオーバー
topper coat
英語だし、別に方言でもないけど、スラックス(パンツ、ズボン)、とっくりセーター(タートルネックセーター)同様、最近聞かなくなった単語なので載せます。

中学・高校生女子の冬の制服には、お尻が隠れる程度の短いコートが多かった。
それをトッパーと呼んでいた。最近は、ダッフルコートや、ステンカラーコート、トレンチコートを着てるから、言わなくなったね。しかし、年配の女性の間では今も使われてる。

1)トッていかんと、さかばい
(トッパーを着ていかないと、寒いよ)

 *「トッパー」の後に「ば」が来ると、パを短く言う。
〜とる 〜(し)ている 状態を表す。

1)寝とったら地震の来けん目のきゃあ覚
(寝ていたら地震が来たので目が覚めた)

2)ごめん、友達のきるけん、あでよね?
(ごめん、友達が来てるから、後でいい?)


3)そん魚は生きとると?
(その魚は生きてるの?)
どべ・どんべ びり どべは熊本以外でも言うところはあるけどね。

1)いっでんどんだけん、ときょうそうはすかん
(いつでもビリだから、徒競走は嫌い)
ろくすん インゲン豆・花豆・藤豆 豆を10個並べると6寸(18センチ程度)だかららしい。
とんおちる 落っこちる・落ちる 1)欄干のか橋ば、じでんしゃでたりよって、とんおちたてったい
(欄干の無い橋を、自転車で渡っていて、落ちたんだって)

2)そがん、ベットんうびよっと、とんおちるよ!
(そんなに、ベットの上で飛んでると、落っこちるよ)


ちなみに、韓国語で”トロチダ”は、「落ちる、沈む、下がる」の意味。ちょっと似てるね。
とんおりる 降りる・飛び降りる ”とんおじる”とも言う。

1)じんとき、屋根からとんおりたばってん、ども怪我せんだったけん
(火事のとき、屋根から飛び降りたけど、どこも怪我しなかったんだよ)

2)こどもんこ、自分の身長んくらいん塀かるとんおりたっちゃ、どがんなかっばってんねぇ
(子どもの頃は、自分の身長の位の塀から飛び降りたって、どうもなかったけどねぇ)
な行 目次に戻る な〜の
〜な 〜(です)ね 特に方言でもないが、語尾に「な」を付けることも多い。

1)まかっ、旅行さん行くかい。なぁ
(今から、旅行に行くんだって?いいねぇ)

2)こら、なんな?
(これは、何なの?)
なぁごなっ 伸び伸びと寝そべる 1)美樹ちゃんも、なぁごなんなっ
(美樹ちゃんも、ゆっくり伸び伸びと寝そべりなさいよ)

2)ねなぁーごなっと
(猫がナァーゴと鳴いてる)  *ウソです(猫が伸び伸び寝てる)が正解
いやいや、いいや、
何やってんの、何言ってんの
物事を理解してない人を諭すような、あざけるような言い方の時に使う。

1)なん、そっじゃな、こったい
(いやいや、そっちじゃない、こっちだよ)

2)なん、どうあんひたぁ、わからっさんだけん、ほっとこ。
(いいの、いいの、どうせあの人は分かってないんだから、ほっとこう。)
なおす しまう 物をタンスや棚などにしまうこと。西日本でよく使う方言。”なわす”とも言う。
これの幼児語は”なんないする”

1)こっばなおしといて
(これをしまっといて)

2)大事なもんだけんて隠しとったら、なわしどこばうっちゃすれた
(大事なものだからと隠してたら、しまい場所を忘れた)
ながむっと 眺めると 眺めるの後に「と」がきた時だけ訛る。規則として「〜めると」は「〜むっと」になる。
「舐めると」は「なむっと」、「ひそめると」は「ひそむっと」
「溜めると」は「たむっと」

1)しっかるながむっとみるよ
(しっかり眺めると見えるよ)
長く 猫の鳴き声ではない。

1)こんけん、道路でいんのなーごなってとる
(車も来ないから、道路で犬が長くなって寝てる)

2)かのなごなったね
(髪が長くなったね)
〜なさるです 〜なさいますか 動詞に付ける敬語
”〜なはるです”とも言う。

1)きなるですか?
(おいでになりますか)

2)いなさったです
(お買いになられました)

3)おんなさるですか?
(女猿ですか?) *ウソです。いらっしゃいますかの意味。
「居りなさるですか?」が訛ったもの。

4)おんなはるですか?

(女の春ですか?) *ウソです。3と同じ意味です。
古文で「いる」の古語は「あり・おり・はべり・いまそかり」と習ったが九州にはよく古語が残っている。

余談だが、「おんなさるね・おんなはるね」を福岡の博多弁・筑後弁あたりでは、
”おらっしゃるね?”とか”おらっしゃあね?”と言う。
そして、「お見えになるの?」は”こらっしゃあ(る)?”だ。
初めて聞いたときは変な方言だなぁと思った。いえ、お互いさまなんですけどね。
〜なっせ 〜(し)なさいな 言い方によって命令調にもなるが、比較的柔らかい使い方が多い。目上には使わない。


1)うちにきっせ
(うちにいらっしゃいよ)

2)はよ、なっせ
(早く、しなさいよ)


3)お菓ば、たべなっせー
(お菓子を、食べなさいな)
きのこ 1)なば、なびってした
(きのこを、縄にくくり付けて干した)
なら それじゃあ ”ん、なら”と同じ
〜なる 〜くなる 「形容詞+なる」は、「く」でつなげるが、熊本弁では「く」が抜ける事がある。
関西弁の表現と近いかな。

1)引っこばしたら、自分の部のひろなっ
(引越しをしたら、自分の部屋が広くなった)

2)わーひさしゅうわんだったら、のたこなったね
(わー久しく会わなかったら、背が高くなったね)

3)フキん皮ばいたら、手のくろなっ
(蕗の皮を剥いたら、手が黒くなった)
なわる 移る・引っ越す 1)隣さんなわって来ました山田です
(隣に引っ越してきました山田です)

2)窓際がよかけん、あっちさんなわってよかですか?
(窓際がいいので、あっちへ移って良いですか?)

3)吉冨さんな1年前に、玉名支社さんなわらしたよ
(吉冨さんは1年前に、玉名支社に移られたよ)


玉名出身Kさん提供語
なん なあに、なんの、いやいや 「なーん」とも言う

1)A ん、よて、あたすけん、
 B なーん、よかったい
(Aなあに、いいのよ、私が出すから、Bいやいや、いいから)
*喫茶店の会計で、よく聞く会話だ

2)A 息子さんな、べんきょのできなはっとだ
 B ん、でくっは、たいくだたい
(A 息子さんは、勉強がお出来になるんでしょ? B なんの、出来るのは、体育だけよ)

*勉強は”べんきょ”、出来るは”でくる”、体育は”たいく”と言う
〜なん 〜ねばならない・〜なきゃ 「〜なん」は「〜(せ)ねば、〜なきゃいけない」の意味。
「〜にゃん」と言う人もいる。

1)なんたい
(しなきゃいけないよ」

2)かえなん
(帰らなきゃ)

3)邪だけん、よなんたい
(邪魔だから、避けなきゃ)


4)いかにゃん
(イカで作ったキャットフード) 
*ウソです。「行かなきゃ」の意味です。
なんか 長い 1)服に、なんなーんか毛のついとる
(服に、何か長い毛が付いてるよ)

2)かなんかけん、まとなんかあうね
(髪が長いから、前となにか違うね)
なんかかる 立て掛ける・寄りかける ”ねんかかる”の他動詞
これは板切れや竹ざおなど、意思を持たないものが他の誰かの手により、立てかけられた場合に使うと思う。
”ねんかかる”と”なんかかる”の違いは、 手を挙げなさいって言われる「レイズyour hand」と太陽が勝手に上がる「sunライズ」の違いと同じ?

1)あすけなんかけてある板ばもってけー
(あそこに立て掛けてある板を持って来い)


*方言・解説・例文共に玉名出身Kさん提供
私は使った事が無いので、解説を丸投げしちゃってます。申し訳ない。
なんさま 何しろ 今年に限って”ヨンさま”でも可かも?
意味は、ヨンさまに群がる女性ファンのように”並ならぬ”とかね。


1)バーゲンさん行っちきたばってん、なんさ人のして、すーぐ帰ったたい
(バーゲンに行ってきたけど、何しろ人が多くて、すぐ帰ったよ)
なんし どうして 1)なんし、いたずらばっか、すっ
(どうして、いたずらばっかり、するの?)

2)もう帰っや?なんや?
(もう帰るのかい?どうして?)

3)なんし上手くいかんか
(どうして上手くいかないかなぁ)

4)たにゃ関係なかろうも、なんしぎゃ 言わなんと
(あなたには関係ないでしょ、何で言わなきゃいけないの)
なんないする ”しまう”の幼児語 方言”なおす”の幼児語
共通語でいう幼児語は何だろ?”ないない”かな。幼児語は、よく分からない。

1)大事かもんは、なんないしょうね
(大事なものは、大事大事しようね)

2)あらぁ、栓抜きはけなんないした
(あらぁ、栓抜きはどこにしまったの?)
なんてろかんてろ なんとかかんとか ”なんてろんかんてろん”とも言う。 

1)あまくのなんてろさんかる電話のあっ
(天草のなんとかさんから電話があったよ)
なんばん かぼちゃ ”ぼうぶら”とも言う。
特に方言ではないが、八百屋で、かぼちゃに南蛮との表示があったりする。
にがごり ニガウリ・ゴーヤー 熊本だけでなく、九州の方言。
食卓によく上っていたが、苦手で、ほとんど食べたことが無いので、料理の仕方も分からない。。。

1)こんにがごりゃ、よけいにがかたっ
(このニガウリは、より一層苦いみたい)
にき ところ(場所)、ところに 1)かは テレビんにあったよ
(鍵はテレビのところにあったよ)

2)ゆうびんきょくにゃ、きんにたい
(郵便局は、駅のところだよ)

にくじ 憎まれ口、意地悪 憎まれ口は叩くだが、にくじは言う、または、する。

1)あんひとは、にくじばっかっ言わすけん、気にせんかよ
(あの人は、憎まれ口ばっかり叩く人だから、気にしなくていいよ)

2)そぎゃんにくじばすっと、友達かっらわるっよ
(そんな意地悪をすると、友達から嫌われるよ)
にけ ところ(場所)に 「にき」と同じ

1)あすこんにけ 椅のあいとけん わろ
(あそこの所に椅子が空いてるから座ろう)
〜にゃあ 〜ない・無い 「〜ない」の訛った言い方。いろんな「ない」を”にゃあ”に言い換えて言う。

1)宿題するごんにゃあ
(宿題したくなーい)

2)車のきたにゃあけん、いまかっろちくる。
(車が汚いから、今から洗ってくる。)


3)電池の、もうにゃあけん。
(電池が、もうないよ。)
にゃん 1)にゃんしょっと?
(何してるの?)

2)晩めしゃにゃんがよ
(夕飯は猫マンマがいい?)  
*ウソです。 正しくは(夕飯は何がいい?)です。
〜にゃん 〜ねばならない ”〜なん”と同じ
ぬぐう 拭く・拭う 特に方言でもないが、普通「拭く」を使う文でも「ぬぐう」を使うことが多い。

1)そんテーブら、さっきぬたよ。 *”テーブルは”はリエゾンして”テーブら”と発音する。
(そのテーブルは、さっき拭いたよ)

2)風邪引っけん、よおと身体ばぬぐときなっ
(風邪引くから、よく身体を拭いておきなさいな)
ぬし あんた、お前、お主 まさに古語ですね。「おぬし」から「お」を外した語。
助詞「は」が付くとリエゾンして”ぬしゃ”となることもあるので聞き取りづらい。男性語。

1)ぬしゃ、どっから来たつかい?
(お前は、どこから来たのだい?)

2)ぬしげん父ちゃんな慰安旅行にゃかすとかい?
(あんたんちの父ちゃんは慰安旅行にはいらっしゃるのかい?
〜ね 〜(な)の?
〜(する)かい?
特に方言ぽくはないけど、良く使う疑問形
「るで終わる動詞+ね?」の場合、”る”を”ん”に変えて使う。
 くんね(来るかい?)
 たぶんね(食べるかい?) *ご注意:”多分ね”の意味ではない
 かえんね(帰るの?)
 もう、か(もう、帰るね)


”〜ね?”には半疑問と疑問の両方があり、”ね”を強調して言えば半疑問の意味となり、
直前の語を強めると確認の意味になる。

1)いつ、終んね?
(いつ、終わるの?)

2)あしたくん
(明日来るかい?)

3)あした
(明日行くね!)
自分が行くことも”来る”と言う。

4)えんちさん、おんね?
(家に、いる?)

5)ろてかね?
(もらっていい?)

6)ろて
(もらっていいよね)

7)あしはしごね?
(明日は仕事なの?)
ねったくる 練る 単に「練る」というよりも、「練りまわす」

1)団子ば作るけん、そんボールん粉ば練ったくって
(団子を作るから、そのボールの粉を練りまわして)

2)ご飯ばねったくっばかっおらんで食べんね
(ご飯を練りまわすばかりしてないで食べなさい)
ねづむ つねる 1)美樹ちゃんの失敗ばらいよったら、美樹ちゃんかっねづまた。
(美樹ちゃんの失敗を笑ってたら、美樹ちゃんからつねられた。)

2)あんまっねむかけん、うばねづみよったらくろぢのった。
(あんまり眠いから、腕をつねってたら青あざができた。)


3)つぅのかゆなって、ねづんり、かかじりよったら、の出てかっ、くろぢのよってしもた。みたみなかぁ
(カサブタが痒くなって、つねったり、掻いたりしてたら、血が出てその上、青あざがでてしまった。みっともないなぁ。)
 
*熊本弁てんこもりの例文。正しいアクセントで読むのは大変。
ねぶる 舐める 薄紙に肉桂の味が付いた駄菓子を”ねぶりがみ”と読んでいたなぁ。

1)んお札ば渡すとき、ゆばねぶって数えらしたけん、さわろごんなかぁ。
(このお札を渡すとき、指を舐めて数えていらしたので、触りたくないなぁ。)
ねまる 腐る 食べ物が傷んだときに使う。食べ物が腐ると粘り気が出るところから来ている。 

1)こんヨーグルトはおとといで賞味期限の切れとるばってん、
元々まっとっとだけん、まぁだ大丈
(このヨーグルトはおとといで賞味期限が切れてるけど、
元々腐ってるんだから、まだ大丈夫でしょう?)」←吉冨の実話。モチロン食べた。
ねむりかぶる うとうとする 1)むりかぶって書きよったら、のいっちょん読まれん。
(うつらうつらしながら書いてたら、字が全然読めない。)

2)あーっ、むりかぶりよった。
(あーっ、うとうとしてた。)
ねんかかる 寄りかかる 1)電車で座れたつぁよかっばってん、なりんひとん、ねんかかってこらすけん、あくしゃうったー
(電車で座れたのは良かったけど、隣の人が、寄りかかって来るから、参った)

2)むかけん、なんかねんかかっば、ちょうだい
(眠いから、なにか寄りかかれるのを、頂戴)

3)ベにねんかかっと、ごるっ
(壁に寄りかかると、汚れるよ)


*玉名出身Kさんからの情報
ねんかかる(寝る・掛かる|架かる)
これはいわゆる自動詞で、生きている者が自分の意思で寄りかかっている場合に使う。
ねんかける 寄りかける 1)コタツんいば、レビさんねんかくっぶなかよ
(コタツの板を、テレビに寄りかからせると危ないよ)

2)ブーツば、こけねんかけとってよか?
(ブーツを、ここに寄りかからせてていい?)
〜の 〜が 助詞「が」を「の」と云います。
「〜の」へ変化する「〜が」を理解するコツは、「〜のことだけど」「〜に関しての話ですが」と言い換えても可能な文に使うと思ってください。*例外があったら吉冨へお知らせ下さい。

また直前の語がナ行やン以外の場合は「の」ではなく「ん」ということもあります。
共通語を知る前の熊本の子どもが書いた作文は、日本語として成り立たないので
他の地域の人には通じないかもしれない。作文コンクールでは絶対不利だよね。

1)美樹ちゃんが机のとどい
(美樹ちゃんの机が届いた)」
 
*非常に解りづらいと思いますが、「が」と「の」が見事にひっくり返っています。 


2)顔んあかかよ、熱んあっじゃな
(顔が赤いよ、熱があるのじゃない?)

3)花のきれいか
(花がきれい)

4)カバンのふとさ
(カバンが大きいねぇ)

5)美樹ちゃんが妹の、雑誌に載った
(美樹ちゃんの妹が、雑誌に載った)
*これもひっくり返ります。雑誌に載ったのは妹です。
共通語として意味を取ると「美樹ちゃんが、妹のやってる雑誌に載った」
ということになってしまいます。むつしかねぇほんなこつ。(難しいねぇ本当に)
のうなる 無くなる 1)あんラーメン屋は、TVに出ち客の増えてかる、おいしゅぅのうなったね
(あのラーメン屋は、TVに出てお客が増えてから、おいしくなくなったね)

2)香水ば大事にしてかわんでおったら、蒸発してのうなった。
がんこつなら、つこうとけばよかった
(香水を大事にして使わないでいたら、蒸発して無くなってた。
そんなことなら、使っておけば良かった)
のさる 頂く、恵みに預かる 野猿、ではない。 

1)今日は消防訓で炊き出しの出とったばってん、なんさま参加の多かったけん、
あたしゃのさらんだった。
(今日は消防訓練にて炊き出しが出てたけど、何しろ参加者が多かったので、
私は頂けなかった)
のさん 呆れる、腹が立つ、がっかりする 韓国の大統領を指す・・・わけではない。
人や物に対してほとほと困ってがっかりしたり、呆れたり、
どうしようもない気持ちの時に吐き出す語。
正に、”のさん”としか言いようが無く、共通語に直せない。
ちなみに、韓国語で「のさん」と言えば、いつも、常に、しょっちゅうという意味。
「まただよ全く困ったもんだ」という意味と思えば近いとも思える。

1)すぐ返すっていうけん車ば貸したとて、もう夜中たい。のさんねぇ
(すぐ返すっていうから車を貸したのに、もう夜中だよ。まいったねぇ)

2)あんひたぁ、いっでん遅刻して来ち、のさん
(あの人は、いつでも遅刻して来て、呆れる)
のっ 海苔 ほとんど「のり」と言うけど、文中に置いて「のっ」と言うこともある。

1)しゃーんらんなっ、のっろか?
(おかずが足りないなら、海苔をあげようか?)
のぼすんな のぼせるな
ふざけるな
ケンカしたり、叱る時に使います。
聞くことも、言うことも無いのが何よりです。
のみかた 飲み会 方言なのかどうかは分かりませんが、全国的には「飲み会」と言ってそうなので載せました。
年末年始、送別会歓迎会、ビールの時期は毎日「呑み方」ということも。
は行 目次に戻る は〜ほ
〜ば(いかん) 〜しないと(いけない)・〜しなきゃ 大抵、”〜んばいかん”の形で使うが、”〜んば”で切っても使う。
県南の方言。
「〜ば」の前には否定形が入り「〜(しなけれ)んば」「〜(しない)と」の意味。

「〜んば」は、長崎県や壱岐対馬あたりでも使う。
韓国語で「〜ば」は、「〜してみろ」「〜してみる」の意味で、似てるね。海づたいの言葉かな。

1)書かんばいかん
(書かなければいけない)

2)早よせんば
(早くしないと)
はいだつ 配達 訛り程度ですね。

1)あんな、ビーラ、はいだつしてらすとだろか?
(あの店は、ビールは、配達してくれるのだろうか?)*"ビールは"は"びーら"とリエゾンする

2)ちょっと、はいだつさん、いってくっ
(ちょっと配達に行ってくる)
はいよ 下さい これを日常的に使えたら、熊本人です。漢字では”配与”と書くらしいと思っていましたが、
熊本出身Mさんより”はいよ”は元々”拝領(目上の方から頂く)”ではないか、とお知らせ頂きました。
確かに”配与”でも漢字の持つ意味で、意図は伝わりますが、
”配与”という熟語は無いので、”拝領”が元だと考えるほうが正しそうです。
この講座は学術論文ではないので、私の勘違いもろとも掲載しておきます。

『熊本弁の「はいよ」の語源は、”拝領”である!』 でヨロシク。

1)こっばはいよ
(これを下さい)


2)ラーメンば2ひゃぁはいよ
(ラーメンを2杯下さい)
〜ばい 〜だよ 感嘆詞として使う場合”〜ぼー”と言う場合もある。

1)かなりばい
(カナリヤだよ) *共通語のアクセントだと別の意味になるね。

2)そりゃ、あんまっばい
(そりゃ、あんまりだよ)

3)とーかけん、車でこばい
(遠いから、車で行こうよ)

4)あらぁ、ヒラメじゃのうしてカレイばい
(あれは、ヒラメじゃなくてカレイだよ)

5)あそさんばい
(阿蘇山だよ)

6)こくどうばい
(国道だよ)

7)あぁもースピードんはやすぎっぼー。もすこしそろっと運転しちく
(あぁもうスピードが速すぎるよー。もう少しゆっくり運転してくれよ)
はうごつ とても ”まうごつ”と同じ。
ばさらか 荒っぽい・乱暴 所作振る舞いが乱暴の意味。特に方言でもないが、日常生活に古語が残っている。

1)いもうはよかとしばってん、ばさかけんのさん
(妹はいい年なのに、がらっぱちで呆れる)

2)なぁん、我が家はみんなばさかけん、ゆたっなっせ
(なぁに、我が家はみんなざっくばらんだから、気を楽になさいな)
〜ばし 〜でも、〜てでも、(する)もんか 1)なぁーん、そげんかこつば言いばししゅうごつ
(なにを、そんなことを(私が)言いでもしますか(いや言わないでしょ?))

反論するときやケンカの時の言い方
2)なぁ〜ん、おっ言いばし
(なんでオレがそんなことを言うもんか、(言ってないでしょ?))
ふて腐れて言うのがポイントである。

3)そがんとば、だっかが持ってきばしるごっ、どっかにあろだい
(そんな物を誰かが持って行きでもしますか(持っていく訳無い)、どっかにあるよ)

4)あっがんとおか、いなかさん、あそびにけぇわれたっちゃ、電車降りたっちゃ、なぁーんもなかてー、タクシーでばしいかなん、かれんたい。こまっ
(あんなに遠い田舎に遊びに来いと言われても、電車を降りたら何も(公共交通機関が)ないのに、タクシーででも行かなきゃ、行けないじゃない。困ったね)

5)あしは、はよずっけん、あはコンビニよってかっ、パンばしこうて食ぶっ
(明日は、(家を)早く出るから、朝ごはんはコンビニに寄って、パンでも買って食べようかな)


*玉名出身Kさん提供語、例文の一部
ばたぐらう 慌てる・あせる
・七転八倒して苦しむ
”ばたくろう”とも言う。”ばたぐらう”の「ら」はらとろの中間の音です。難しい。

1)美樹ちゃんな、財布ば置いてきたて言うて、ばたぐろて戻らしたよ
(美樹ちゃんは、財布を置いてきたって言って、慌てて戻ったよ)

2)貝に当たってたぐろた
(貝に当たって七転八倒した)
ばちかぶる 罰が当たる 熊本だけの方言ではないけど、よく使うので掲載。

1)たべもんばおもちゃにすっと、ばちかるけん。
(食べ物をおもちゃにすると、罰が当たるよ。)

2)あたしばじむっけん、ばちかぶったったい。
(私を苛めるから、罰が当たったのよ。)
ばっ なにいっ!、えっ! ”ぼっ”ともいう。
”ば”とも”ぼ”ともとれない、中間の音の場合もある。ネイティブでないと難しいかな。
抜け駆けされたり騙されたりしたなど時の、ショック交じりの怒った時に出る語

1)A:○○チャンから携帯番ば教えてろたってぇ 
  B:ばっ、さっこされたっ
(A:○○チャンから携帯番号を教えてもらったんだよぉ
 B:ちっ! 先越された


2)ぼっ、一番乗りのつもりだったに、もっとはか人んらした
(げっ!一番乗りのつもりだったのに、もっと早い人がいらした)
ばっちらかす 散らかす・(物を)ぶちまける 1)部ばっちらかっとるばってん、がんなっせ
(部屋が散らかってるけど、あがってね)

2)ケーキば焼いたとはよかばってん、だいどこらぁ粉てろん卵てろんばっちらかって、
掃除すっとにようにゃこっ
(ケーキが焼けたのはいいけど、台所は粉や卵がこぼれてて、掃除するのが大変だ)

3)柿ピーん袋ん開け方ば失敗して、全部ばっちらかした
(柿ピーの袋の開け方を失敗して、全部ぶちまけた)
ばってん けれど・けど 代表的な熊本弁ですね。

1)CDケースばこうて来たばってん、こ置くね
(CDケースを買ってきたけど、どこに置く?)

2)道んすいとったとよかばってん、はよ着き過ぎた
(道が空いてたのは良かったけれど、早く着き過ぎた)
ばってんがら だけどねぇ 県の西北地方の方言。”〜けんがら”とも言う。
「でもさぁ」の意味で言う場合、全県的には”ばってんたい、ばってんたい”を使う。

さらに”ばってんがらく(けど、だからって、ねぇ)”や
”ばってんがらたい(けど、でもさぁ)”と言う人もいる。
”ばってん”だけでも”ばってんが”、”ばってんがら”でも十分意味があるのにむやみに長い。

普通に「だけどねぇ」という使い方のほかに、最近の「っていうか」のように、
何の脈略も無く第一声で使ったりもする。
玉名出身Kさん提供語&使用法。

1)あん人んとだけんほっとくとよが。ばってんがら、あめん降ったらどがんさすとかね?
(あの人のだから放っとけばいいよ。でもさぁ、雨が降ったらどうするのかな?)

2)ばってんがら、いんよねぇ
(っていうかぁ、ダメよねぇ)
〜ばな 〜ですよ・〜だよね 1)時間のおかけん、もう帰るばな
(時間が遅いから、もう帰りますよ)

2)歩くとに邪魔なら、机ばけるとよかばな
(歩くのに邪魔なら、机をどけるといいですよ)
ばばさん おばあさん 馬場さんちのばばさんは、クイーンオブばば?(失礼しました)

1)こら、お宅んばばさんに、おみやに持っていきなっ
(これは、お宅のおばあさんに、お土産に持ってお行きよ)
はらかく 怒る・腹を立てる さらに訛ると”はりかく”となる。
”はらかいた(怒った)”*チョット笑える表現です。 

1)美樹ちゃんが遅れたけん、店長がたいぎゃはらかいとらしたよ。
(美樹ちゃんが遅れたから、店長がとても腹を立ててたよ)

2)そがん、はりかかんちゃよかろうもん
(そんな怒らなくてもいいでしょうに)
ばら寿司 五目ちらし寿司 ”ちらし寿司”と同じ

1)なぁんもなかばってん、ら寿司なっと食べなっ
(何にもないけど、五目ちらし寿司なりでもお食べなさいな)
はらんせく お腹が痛い お腹がキリキリ痛む時や、お腹をこわして下し気味なときに使う。
お腹が下る。->お腹が急ぐ。->で、腹がせかせる。腹んせく。なのかな?
友達のK代ちゃん提供語

1)さっきっ腹んせて、トイレばっかっきよるよ
(さっきからお腹が痛くて、トイレばっかり行ってるよ)
はわく 掃く これは方言を出さないように気を付けてても、つい言ってしまう語です。

1)庭ば、かぼうきではわい
(庭を、竹箒ではいた)
〜ばん なのよ、だよ、だもん 「〜だん」と同じ
相手の行動、考えを軽く否定する言い方。

1)なーん、美樹ちゃんば待っとらんで、もう行って よかっばん
(なぁに、美樹ちゃんを待たなくて、もう行って良いんだよ)

2)あがんみえち、あんくるまな スピードのでっばん
(ああ見えて、あの車はスピードが出るんだよ)

3)そがし きんなら じゅうぶんばん
(そでだけ出来るなら充分だもん)
ひごける ガリガリに痩せる 単に痩せるというよりも、ガリガリに干からびたように痩せこけた状態を言う。

1)あらぁ、せてごけて、ちゃんとごな食べよっとかい
(あらぁ、痩せてヒョロヒョロして、ちゃんとご飯は食べてるのかい)
ひこずり 味噌炒め ”ひこずっ”とも言う。

旬の野菜を、玉ねぎなどと炒め味噌で味をつけた料理 仕上げに鰹節を振り掛ける
筍んひこずり(筍の味噌炒め)
なすびんひこずり(茄子の味噌炒め)などを、よく食べる。
肥後のいっちょ残し たくさんある物をみなで取り、最後の一つは必ず残ること、または残った物。 みんなで取り分けた料理が、皿に一つだけ残ること。
最後の一つになったら遠慮して誰も手を付けないし、
取る人も一つだけ残るように取り分ける習慣のこと。
食べ残すくらい充分いただきましたという証でもある。
全国各地にその習慣があるらしいが、熊本ではこう呼ぶ。短く「いっちょ残し」とも言う。

1)いっちょ残ばってん、美樹ちゃん食べん
(みんなが遠慮して残った物だけど、美樹ちゃん食べない?)

2)最近のひたぁ、いっちょ残らっさんとかねぇ、いっちょもこっとらん
(最近の人は、「いっちょ残し」を知らないのかねぇ、ひとつも残ってないよ)
肥後の引き倒し 贔屓の引き倒し、
出る杭は打たれる
優れた業績をあげた人や、秀でた人に対して、ある程度までは応援するが、ある時から逆に邪魔をしたりすること。可愛さ余って憎さ百倍にも近いかも。

私はあまり聞いたり、使ったりしたことが無い語なので実感が薄いが、保守的・閉鎖的な気質をいうのではとのこと。(Hさん提供情報)
個人的解釈では、「あんな奴より俺のほうが勝ってる」なぁんて思いが強く、自分が一番でないと気がすまないとか、ひがみ根性が強いのか!?とも思ったが、どうなのでしょう。
熊本には毒舌家も多いし、的を射た嫌味が上手い人も多い。きれいな顔して言うことは悪態ばっかりなんて残念な美女も多い。
同時に新しい物・権威ある物に弱いミーハーも多い人間味溢れる素直・正直な県民です。

薩摩(鹿児島)は熊本と逆に、優れた人を周りが盛り上げようとする気質だそうだ。
*鹿児島の事はどう言ったか、事実かどうかも不明です。(そんな言い方に肥後っ子気質!?)
ひっかんがす 引き抜く 1)ざっそのしげっとったけんひっかんがしといたよ
(雑草が繁ってたので引っこ抜いといたよ)

2)脚がむくんでブーツの脱げんけん、ちょっとひっかんがすとば手つどう
(脚がむくんでブーツが脱げないから、ちょっと抜くのを手伝って)

3)ごめん、プラグのひっかげた
(ごめん、プラグが引っこ抜けた)
びっきん かえる ”びきたん”とも言うらしい。他にも呼び名があるらしいが、玉名地方では”びっきん”

ちなみに、私は幼稚園の頃、近所の年下の友達から”びきちゃん”と呼ばれていた。
別に私がカエルに似てたわけではなく、3、4歳の友達はミキチャンと発音できず、
ビキチャンとしか言えなかったから。
びっくっすっ びっくりする 1)くらがりでおうたら、びっくっすっごたっ格好ね
(暗がりで会ったら、びっくりするような格好だね)

2)きゅうに、ねこん でてきけん、びっくっした
(急に、ネコが出てきたから、ビックリした)
びっしゃげる ひしゃげる・厚みのある物がへこむ 1)自販機でコーヒーばこうたら、びっちゃげとるとの出て
(自販機でコーヒーを買ったら、潰れてるのが出てきた)

2)さっき塀にぶつかったけん、車んバンパーのびっしゃげた
(さっき塀にぶつかったから、車のバンパーがへこんだ)
びったらか 平べったい ”べったらか”と同じ
”びったらだご”と言えば、小麦粉を捏ねた皮に餡を入れて蒸した団子のこと

1)びったらか石
(平べったい石)

2)お腹んびったらか
(お腹がぺったんこだ)

3)粘土ばびったらく伸ばした
(粘土を平べったく伸ばした)
ひっとでる 思わず出る・うっかり出る 単に出るよりも、思いがけず出るといった意味合いで使う。
思いがけず出すは”ひっとだす”。

1)鳥かごん扉の開いとったけん、ピーちゃんのひっととったよ。
(鳥かごの扉が開いてたから、ピーちゃんがうっかり出てたよ)

2)車道にひっとると車にかれるよ
(車道に飛び出すと車に轢かれるよ

3)おなかんひっと出るごっ、みじかかTシャツば着とると風邪くよ
(お腹が出るような、短いTシャツを着てると風邪引くよ

4)3塁ベースからひっととったら牽制球でアウトになった
(3塁ベースから思わず離れてたら牽制球でアウトになった)
*ヒットが出たら点が入ったのにねぇ。1文字違いで大違いだね。
ひともじ 小ネギ、もしくは、わけぎ 高校野球の応援風景で「巨大なヒトモジ」と言われ、大きなワケギを想像するのは熊本県人。
うぁわ、臭そう!
ひともじをゆがいて小さく折ってまとめ、酢味噌を掛けた物を
”ひともじのぐるぐる”といい、郷土料理だ。
また、お味噌汁、うどん、ラーメンなど薬味には欠かせないネギだ。
ひゃあ ハエ ちょっと脱力加減で発音する。
他に「ハイ」とも言うが、「胡麻のはい」や「蝿帳(はいちょう)」のハイなので特に方言ではないね。
なにかの虫を”ぶーめき”とも言っていたが、何だったか忘れた。
羽音が大きいイメージなので甲虫類のカナブンかなぁ。

1)ひゃあの一匹って、きになんねぇ。
(ハエが一匹いて、気になるねぇ。)
ひゅうなか 変だ・おかしい ”ゆうなか”と同じ
ひらくち まむし 頭がひし形の蛇。たぶんマムシのことだが、この目で見たことは無い。
山や畑で作業中に蛇に噛まれたといったら、まずヒラクチのこと。
ヒロシです ヒロシです 1)ヒロです。
*正しい熊本弁での「ヒロシです」は、シにアクセントを置く。

二文字の名前は頭にアクセントを置くが、三文字以上だと最後の音にアクセントが来る。
例)「めぐです。」「れいです。」「まさはです。」「しんいちろうです。」

相手に尋ねるときは「さん」「ちゃん」「君」にアクセントがきます。
例)「ひろしくんかい?」「みきちゃんね?(みきちゃんなの?)」「よしひこさんだろ?(よしひこさんでしょ?)」

2)ヒロです。他んひと同時に行ったに、「少々お待ち下さい」て言われたです。ヒロです。ヒロです・・・
(他の人と同時にレジに行ったのに「少々お待ち下さい」と言われたのです。)


*ヨシトミです。ホントに店員さんに言われたとです。
買うもんが少なかったけんだろか?もう一人のお客さんがオジサンだったけんだろか?店長さんらしき人は業者と商談しよって、レジばしてくれらっさんだったとです。待つとはイヤだけん、買わんで帰ってきたとです。
ふとか 大きい 太いの意味でも使います。

1)久しぶりにおうたら、ふとなったねぇ
(久しぶりに会ったら大きくなったねぇ)*子どもに使う場合は、太ったの意味ではない

2)門の横さんふーとかのある
(門の横に大きな木がある)
ふのわるか 運が悪い、タイミングが悪い 1)日帰りんつもっ蘇さん行かしたら、大雪の降って帰られんごつなったたい。ふのわかねぇ。
(日帰りのつもりで阿蘇へ行らっしゃったら、大雪が降って帰られないようになったそうだ。運が悪かったねぇ。)

2)たまたま信号でまっとったら、対向車線の車のつっこんで来て、つかったてったい。ふのわるかっねぇ
(たまたま信号で止まってたら、対向車線の車が突っ込んできて、ぶつかったそうだよ。ついてないねぇ。

3)なん!いまかっ、でかくっね。ふのわるかと。んら帰るたい
(何なの。今から出かけるの?タイミングの悪い時に来たわね。じゃあ帰るわね。)
ふゆじ 寒がり・冬支度 その場の寒さ以上に、厚着してる時に使う

1)美樹ちゃんな、もうダウンコート着てかっ、たいぎゃふゆじだん
(美樹ちゃんは、もうダウンコート着てから、冬支度のやり過ぎだもん)

2)あたしゃふゆじだけん、ババシャツ二枚重ねしっきた
(私は寒がりだから、ババシャツ二枚重ねして来た)

3)そんブーツな、ふゆじだけんね?オシャレんためね?
(そのブーツは、寒さ対策だから?(寒くはないけど)お洒落のためなの?)
ぶりやる 放り投げる、放り出す 1)雑誌はソファーへんにぶりやっとって
(雑誌はソファーのあたりに放り投げといて)

2)かんとけりやっとっと、ごるっばい
(こんな所に放り出してると、汚れるよ)
べったらか 平べったい ”びったらか”と同じ
”べったらか”と”びったらか”の使用頻度は同程度
ほいっぴゃ いっぱい・たくさん 「いっぱい」の強調語

1)明日は祭りだけん、うっちゃんいっぴゃべち飲みなっ
(明日は祭りだから、うちへ来ていっぱい食べて飲みなさいな)

2)ぅわぁいさぁし、魚のいっぴゃ捕なぁ
(うわぁ、魚がたくさん捕れたねぇ)
ぼうぶら かぼちゃ ”南蛮”とも言う。

1)あたげん、ぼうぶらは、ふとさぁ
(お宅の、カボチャは、大きい)
ほがす 穴を開ける 「穴ほがし(2穴パンチや、キリなど)」

1)こんに、ヒおすけん、あなほがして
(これに、ヒモを通すから、錐を貸して)

2)玉子かけごはんな、ごはんにあがしてかっ たまれにゃん
(玉子かけご飯は、ご飯に穴を開けてから卵を入れなきゃ)


*玉名出身Kさん提供語
ほげる 穴が開く 1)印鑑押すとこば、まちごうたけん、砂消しで消しよったら、かんあなん
(印鑑を押す所を間違ったから、砂消しゴムで消していたら、紙が穴が開いた)

2)おおみで、道路にあなんげとっけん、そっさんなかれん
(洪水で、道路に穴があいてるから、そっちには行かれない)

3)おもかもんれたけん、ダンボールつっぽげた
(重い物を入れたから、ダンボールが穴が開いた)
ほして そして 1)食器は出したばってん、ほしてどがんすっと
(食器は出したけど、そしてどうするの?)

「それから」は”ほしてかっ”または”ほっでかる”
「それだから」は”ほっだけん”
「それだからね」は”ほっだけんたい”
ほしてかっ そしてから ”ほしてかる”とも言う。「ほんでもって」と同じでしょうね。

1)ころとって。ほしてかっ重ならなんごつ干しとっ
(これを洗っといて。そしてから重ならないよう干していて)

*「ほしてほす」と言っても、「干して干す」ではなく、「そして干す」だ。
ほたる ほったらかす・捨て置く 1)大事か申込ばこぎゃんとけたっとくとごるっよ
(大事な申込書をこんなところに放っておくと汚れるよ)

2)あん紙なら床にたぁたってあったけんすたよ。
大事なモンならちゃーんとなおしとかにゃ
(あの紙なら床にいいかげんに放ってあったから捨てたよ。
大事なものならちゃんと仕舞っておかなきゃ)
ほっだけん それだから ”ほるだけん”とも言う。

1)川ん水かさんあがっとるでしょうが。ほるだけん気が気じゃなかったい
(川の水かさが上がってるでしょう。それだから気が気じゃないのよ)
ほっちらかす 散らかす 1)プラモデル作るはよかばってん、なんでんほっちらかしたまんたい
(プラモデルを作るのはいいけど、なんでも散らかしたままじゃない)
ほっで それで ”ほるで”、”ほっでたい(それでね)”、”ほっでかるたい(それでからね)”とも言う。
長くなっても意味は同じ。

1)のんりしよったら帰りんバののうなってね。ほっであるいて帰ったたい
(のんびりしてたら帰りのバスが無くなってね。それで歩いて帰ったのよ)

2)に用事のはいったったい。ほっでたい、たが代わりにいっちくれんね?
(急に用事が入ったのよ。それでね、あなたが代わりに行ってくれない?)
ほめく 蒸し暑い 全県で言うと思うが、使う人は少な目。

1)今日はめくねぇ
(今日は蒸すねぇ)

2)みゃあにちめくけん、のさん
(毎日蒸し暑いから、たまらん)
ほんなこつ 本当のこと・本当 ”ほんなこっ””ほんなこん””んなこつ”とも言う。
”ほんなこて(本当に)”です。

1)こないだの話は、ほんなつね?
(この間の話は、本当なの?)

2)阿蘇山な、ほんなこて大
(阿蘇山は、本当に大きいね)
ま行 目次に戻る ま〜も
まーごち 誠(に)・本当(に) ”まっごて””まっごと”と同じ。

1)まーごちかい?
(ほんとうかい?)
まうごつ とても もっぱら、県央・熊本地方の若者が使っていたが、現在は県内どこでも使いつつある。
県北・荒尾市出身の「ヒロシ」は使わないかもなぁ。。。
”まうごっ”とも言う。

語源は「馬(んま)のように」らしい。「舞うように」が語源だと言う人も。
郡部の60歳以上の方には通じない語。
若くて活きがいいコ達はこぞって熊本弁を使うが、その特徴的語。
まーうごつ、はーうごつ、だごんごつ、なばんごつ と強調されていく。
何でも良いから、○○んごつ(○○のよう)と入れてアレンジは自由。

1)今日ん電車はうごつ混んでかっ、しんかぶった
(今日の路面電車「通称:市電」はチョー混んでて、死にそうになった)
まっご 誠(に)・本当(に) ”まっごと”とも言う。 ”まーごち””まーごつ””まーごて”それぞれ勝手に言ってる。

1)こぎゃんとば、まっごて、もろてよかっだろか?
(こんなものを、本当に、もらって良いんでしょうか?)
まっご 誠(に)・本当(に) ”まーごち””まっごて”と同じ
まかせんかい 俺に任せろ 多少、大風呂敷の感は否めませんが、熊本男子が自信満々でよく使うフレーズだ。そういわれた場合は、とりあえずやらせてやって下さい。

1)おっに、まかせんかい
(俺に、任せろ)
まぎる (道や川に使う)曲がる 訛り程度だが、方言でよいよね。
”木の枝が曲がる”とか、”性格が曲がる”等には使いません。

1)カーブばまぎりきらんで、ガードレールさん当たるておもた
(カーブを曲がりきれないで、ガードレールに当たるかと思った)

2)ぎん交差ば、まぎったとこれあっよ
(次の交差点を、曲がった所にあるよ)

3)かぎっとるとけるはたってください
(川が曲がってる所にある橋を渡ってください)
まじ まで 訛りですね。

1)タクシーにて
市役所じ、おねがいしまっ
(市役所まで、お願いします)

2)そがんまじいうなら、よたい
(そんなにまで言うなら、良いよ)
みしかか 短い 訛り程度の違いですね。

1)かばみしこたけん、乾かすの、らくんなった
(髪を短くしたから、乾かすのが、楽になった)

2)そんスカーは、ちょっとみしかかたっ
(そのスカートは、ちょっと短いみたいよ)
みずや 台所 特に熊本弁ではなく、茶道の世界で使う言い方だが、
熊本では普段の生活でも使う方がいるので、載せてみた。
みたみなか みっともない みたむない(見たくもない、みっともない、みとむない)が訛ったもの。
形容詞なので語尾が”〜か”となっている。

1)みたみなかー、そぎゃんコタツから出てきたごたっ格好でとば歩かん
(みっともなーい、そんなコタツから出てきたような格好で外を歩かないで)
みみご 耳垢 1)どぉ、みみごば取ってやろだい
(どら、耳垢を取ってあげよう)
 *子どもの頃、親にこう言われてた人も多いはず
みゆる 見える 方言というよりも訛り。

1)かば切ったんね?せちみゆっよ。
(髪を切ったの?痩せてみえるよ。)

2)そっちの窓かっ月はみゆね?
(そっちの窓から月は見える?)

みられてください 御覧になってください 最近流行ってる、丁寧語
「みられる」と「ください」がくっついてるのは、非常に違和感を感じる。
私が住んでた頃は言ってなかったと思う。

1)こけ あっですけん、みられてください
(ここに ありますから、御覧になってください)
むぞか 可愛い 可愛らしいは”むぞらしか”と言う。

小さい子猫が可愛いとか、子どもの小さな手が可愛いといった、
小さくて可愛いものに対して使う。

1)こん赤ちゃんなニコニコしちかっ、むぞかねぇ
(この赤ちゃんはニコニコしてて、可愛いねぇ)

2)うちゃあおとうさんも子どもばむぞがらすけん、お父さんだん
(うちはお父さんも子どもを可愛がるから、お父さん子だもん)
むぞーなげ 泣きじゃくって可哀想 赤ちゃんが可哀想なくらい泣きじゃくってる状態を指したり、それを見て生じる感情を表すらしい。
熊本市出身Mさん提供語
ぞらしか 可愛らしい 可愛いは、”むぞか”と言う。

1)あん犬わぁ、レインコート着とるよ、うわぁむぞらしかぁ
(あの犬は、レインコート着てるよ、うわぁ可愛いらしい)
むしゃつける かっこつける 1)あん人は、武者つとらすけんね
(あの人は、かっこつけてるからね)
むしゃんよか カッコがいい・様子がいい 漢字で書けば”武者ん良か”。 かっこつけた人を”むしゃもん(武者者)”とも言う。

1)今日紹介してもた人は、たいぎゃむしゃん良った
(今日紹介してもらった人は、とてもカッコ良かった)

2)うわっ、そんふくぁ、むしゃんよさー
(うわぁ、その服はカッコイイね)
めっちょ メス オスは”おっちょ”
使っているのは、お年寄りくらいだろう。
もっこす 頑固者 ”肥後もっこす”といえば”わさもん”と共に、熊本県人気質を表す語。
偏屈とかへそまがり的頑固の意味もある。
一度決めたら説得されてもけっして曲げないような人。

1)おじさんはもっこすだけん、どがんゆうたっちゃあ無理思うよ
(おじさんは頑固だから、どんなに言っても無理と思うよ)
や行 目次に戻る や〜よ
やうつり 屋移り・引越し 特に方言でもないが、引っ越すことを、やうつり(やおつり)と言う事が多い。
おいかん 難しい、てこずる 語をバラして解釈すると、やわらかく(楽に、簡単に)は行かないといった事でしょうか。

1)コピー機のおかしゅなったけん、いつもんごつスイッチば切ってみたばってん直らん。
修理に出なんならおいかんね。
(コピー機がおかしくなったから、いつものようにスイッチを切ってみたけど直らない。
修理に出さなきゃいけないなら面倒だね)

2)おおみで、わんあふるっごたっけど、こぎゃん地盤のゆるから重機もかえんで
土嚢積おいかんたい
(洪水で川が溢れそうだけど、こんなに地盤が緩いなら重機も使えず
土嚢積みもてこずるね)
やおつり 屋移り・引越し ”やうつり”と同じ
やばた 端午の節句 やばた祝い、やばたん祝いとも言う。

鯉のぼりは鯉を泳がせるが、九州では、もう一本、武者絵や子どもの名前を染抜いたノボリ(旗)を立てる。鯉のぼりの矢車と、旗で矢旗かしら?ちょっと、そこの所は分かりません。
やまつき 山側 熊本を、ざっくり分けると、東側は標高が高く、西側は海岸なので低地。

1)コろたばってん、やまつきんこみゃおい
(米をもらったけど、山側の米は美味しいね)
やわい・やわか やわらかい 友達が「やわいが熊本弁だったとはねぇ」と、しみじみ言っていた。
熊本弁というよりも九州弁ですね。

1)こんにくぁたかねぇ、もっとやわい肉はなか
(この肉は硬いねぇ、もっと軟らかい肉は無いの?)

2)ぅわぃさぁし、アイスクリームんけち、やーおなっとる
(うわっ、アイスクリームが溶けてやわらかくなってる)
〜やん 〜じゃないの、〜でしょ 関西弁風だが、県北(玉名郡〜荒尾市)から福岡、佐賀、大分あたりで使う。
熊本弁としては「〜たい」を使うのが一般的。

1)きれーかやん
(キレイなヤンキー) *ウソです!(きれいじゃない!)の意味です。

2)よやん
(いいじゃない:どうだっていいじゃないの意味)感情の込め方で意味が変わる。

3)かやん
(良いんじゃないの!)この場合は肯定。アクセントで意味が変わる

4)さっき、ゆうたやん
(さっき、言ったじゃないの)

5)ここっ電車で行やん、そっでかっ、そんあスか歩たい
(ここまで電車で行くでしょ、そして、その後はバスか歩きね)
ゆうと よく、しっかり、ちゃんと ”ようと”と同じ
ゆうなか 劣る ボロだ ”ひゅうなか・ひょんなか”もあるが、それは「変だ・おかしい・へんてこだ」という意味だ。
しかし、私が考えるに「劣る」の意味では使わないような気もする。
”ひゅうなか”は「変な」が元かなと思うが、
”ゆうなか”は”ひゅうなか”の発展形なのか?それとも別の語?うーん。

1)ゆうなか絵
(ボロボロの絵・下手な絵)

2)ひゅうなか絵
(へんてこな絵・下手な絵)

3)そぎゃんゆうなか車に乗っとっと、たいぎゃ金んなかごたったい
(そんなヒドイ車に乗ってると、相当お金が無さそうにみえるよ)

4)せっかく背広ばこうたとに、ゆうなかベルトじゃおかしかろう
(せっかく背広を買ったのに、ボロいベルトではおかしいだろうに)
ゆごどる 歪んでる ゆがんでるには、色々言い方がある。
他に”ゆがんどる””ひゅがんどる”ひゅごどる””ひゅごんどる”など。

1)スターのごどるよ
(ポスターがゆがんでるよ)

2)せいかひゅごどっけん、かおもひゅごどっとだろ
(性格が歪んでるから、顔も歪んでるんだろ)
ゆたっと ゆったりと・のんびりと 1)時間のなかだけん、ゆっとせんでいそがんね!
(時間が無いんだから、のんびりしないで急ぎなさい!)

2)今週は忙しったけん、しゅうまつぁどこーもでかけんでゆーっとしとこ。
(今週は忙しかったから、週末はどこも出かけないでのーんびりしとこう。)

3)ゆたーっと仕事しよったっちゃ、いつまっでんおわらんばい!
(のんびり仕事してちゃ、いつまでも終わらないよ!)
ゆるっと ゆっくりと 1)温泉さん行くなら、ゆっとてきなっせ
(温泉に行くんなら、ゆっくりしてきたら)


2)あらもうえんね。ゆるっとなかったね
(あら、もう帰るの。ゆっくりできなかったでしょ)
〜(し)よい 〜(し)よう 動詞に勧誘をつけた語。
「動詞+おう、よう」から「う」を取って「い」を付ける

1)テレビば見よい
(テレビを見ようよ)

2)こっば食べ
(これを食べよう)

3)電車で行こい
(電車で行こうよ)

4)ブランであそぼい
(ブランコで遊ぼうよ)

5)時なかけん急ごい
(時間が無いから急ごう)

6)よ、しょい
(早くしよう)
ようだいなこっ しっちゃかめっちゃかなことで ”ようだいにゃこっ””ようじゃなこっ”とも言う。
部屋が汚いとか仕事がはかどらず散らかっているといったときに使う。
しかし、そんな語があるほど熊本には部屋がゴミ溜めのようになってるひとが多いのか?

1)お客さんのこらすに、こん部屋はようじゃにゃこったい
(お客さんがいらっしゃるのに、この部屋はゴミ溜めのようでめちゃくちゃなことだねぇ)

2)明日が書類の締め切りて、電話は鳴るは、コピー機は壊るるは、
ようだいこっこごたっ
(明日が書類の締め切りなのに、電話は鳴るは、コピー機は壊れるは、
しっちゃかめっちゃかで泣きたいよ)
ようと よく・よおく ”ゆうと”とも言う。

1)ようと見よかんと落すよ
(良く見ていないと落とすよ)

2)書類が出てこんね?ようと調べたん
(書類が出てこないって?良く調べたの?)
〜(し)ようばい 〜(し)ようよ 軽い言い方をすれば、”〜(し)よい”とほぼ同じ。
痺れを切らしたり、呆れたりした表現だと、その気持ちが強めに感じます。男言葉的。

1)ドライブしょうばい
(ドライブしようぜ)

2)「カラオこぅばい
(カラオケに行こうよ)

3)、すっばい
(早くしようぜ)
よこう 休憩する・休む 1)さは、なかけん、よこいよこい行こい
(先は、長いから、休み休み行こう)

2)ちょっと、よこてかっておもたら、1時間も経っとっ
(ちょっと、休憩してからと思ったら、1時間も経っていた)

3)旅行に行くけん、昼から会社ばよこた
(旅行に行くから、昼から会社を休んだ)

4)つかたけん、ちょっとよこ
(疲れたから、ちょっとやすもうよ)
〜よらる 〜(し)てやがる 目下の行為、もしくは悪口で使う
動詞+よらる
「〜よらっ」とも言う。

1)カレーば食べよらる
(カレーを食べてやがる)

2)弟なっ、いらる
(弟なら、家にいるよ) 嫌な奴の事なら”家に居やがる”というニュアンスになる

3)むしゃつち、英字新聞読みよらったい
(カッコつけて、英字新聞を読んでやがるよ)
〜(し)よる 〜(し)ている 現在進行形を表す。”〜(し)ている”のこと。
敬語表現では「〜よらす(〜(し)ていらっしゃる)」を使う。

1)ラーメン食べよっら、電話ん掛かってきてかっ、
うっちゃすれて話しよったらラーメンの伸びとった
(ラーメン食べていたら、電話が掛かってきて、
忘れて話していたらラーメンが伸びていた)」

2)100円ショップでバカ買いしよったら、レジでお金のらんでねぇ、あくしゃうった
(100円ショップでバカ買いしてたら、レジでお金が足らなくてねぇ、慌てたよ)」

3)なんばしよらすとだろか?おかねぇ
(なにをしてらっしゃるのだろうか?遅いねぇ)」

4)なんしょっと
(ナイスショット)     *ウソです。 正しくは、何してるの?です。


活用は難しいが、「〜ながら居る」を当てると分りやすいと思う。
食べよる(食べ・ながらいるで、食べている)
買いよる(買い・ながらいるで、買っている)
泣きよる(泣き・ながらいるで、泣いている)
見よる(見・ながらいるで、見ている)
恥ずかしがりよる(恥ずかしがり・ながらいるで、恥ずかしがっている)
よんにょ 余計に・多めに ”よんの”とも言う。

1)総菜屋で、コロッケばじゅっこいよて言うたら、1個よんにょらしたよ
(総菜屋で、コロッケを20個下さいって言ったら、1個余計にくれたよ)
よんの 余計に、余分に ”よんにょ”と同じ
ら行以降 目次に戻る り〜ん
リバテープ 絆創膏 熊本県の会社が作ってる絆創膏の商品名
コピーをZロックス、食品用ラップをSランラップと呼ぶように、熊本では絆創膏は、Bンドエイドではなくリバテープだ。

1)だっか、リバテープもっとらんね?
(誰か、絆創膏もってない?)
りょうる・りょおる (魚などを)さばく・下ごしらえする 特に熊本の方言でもないが、魚や肉の場合”さばく”や”下ごしらえ”よりも、”りょうる”をよく使う。

1)こんさかば、りょうてはい
(この魚を、さばいてちょうだい)

2)もうりょおってあるけん、あとは焼くだたい
(もうさばいてあるから、あとは焼くだけだよ)

3)りんごたる ふかさかなは、りょおったこつんなか
(鰤みたいな大きな魚は、さばいた事がない)
〜(した)ろう 〜(した)だろう ”〜ろ”という場合もある。
語頭にアクセントがあると、”(たぶん)〜だと思う”の意味

1)こうたろう
(買ったと思うよ)

2)ゆうたろう
(言ったと思うよ)


語末にアクセントがあると、”〜(した)でしょ!〜(した)だろ!”といった相手を問い詰める意味

3)きのうも、こうたろう
(昨日も、買っただろ)

4)さっき、ゆうたろう
(さっき、言っただろ)
〜ろがいた 〜でしょ?、〜でしょう? ”〜どがいた”と同じ 
ぞんざいな言い方では”〜どが”、”〜ろが”と短く言う
〜(した)ろもん 〜(した)でしょうに! 「ろうもん」とも言う。

1)ゲーは買わんちゃ家にいっぱいあろうもん
(ゲームは買わないでも家にいっぱいあるでしょうに)

2)そがん、おこらんちゃよかもん
(そんなに、怒らなくてもいいでしょうに)
わけくちゃわからん 訳が分からない 「わけくちゃわからん」はフレーズとして完成した語。
ちょっと怒ったり、呆れたりした時に言う。

1)さっきゃ、よかて言うて、いまぁダてったい。もう、わけくちゃわからん
(さっきは良いと言って、今はダメだってよ。もう、訳が分からない)
わさもん 新し物好き 漢字で表せば「早生者・早稲者」新製品や新規開店など新しい情報、
新しい物なら何でも飛びつくという熊本県人気質を表す言葉。

新入荷の商品や流行情報オープンしたての施設など、
新しいものなら何でも体験済みという友達がグループ内に必ずいる!!
グループ全員がワサモンの場合も・・・

1)なーん、あん店さん、もう行ったね。ミキちゃんな、わさもん
(なぁに?あの店に、もう行ったの?美樹ちゃんは、新し物好きねぇ)
わっ お前 ”わる”と同じ
わっかもん 若い者、若者 1)あつなっと、わっかもんのクルらくけん、うるしゅうてしょん
(暑くなると、若い者が車でうろつくから、うるさくて仕方ない)

2)わっかもんのらんと、とっしょりばかっじゃ、やくのはかどらんたい
(若者がいないと、年寄りばかりでは、苦役(町内の奉仕作業)がはかどらないじゃない)
わる お前 関西弁でいう「われ」ですね。初対面の方に使ってはいけない。柄の悪い男性語
「お前は」は「わら」「わっ」
「お前達」は「わっ達」もしくは”わっども””わっどん達”
「お前達は」は”わっどみゃ””わがどみゃ” なんか怖い。。

1)わっどんたちゃ、け行くとや
(お前達は、どこ行くんだい?)

2)こっば壊したとは、わるだろ?
(これを壊したのは、お前だろ?)
わるぐるしか うっとうしい、窮屈 身体に関して使う。他の人がそういう状態に見えるときに、よく使う。

1)まえがーごして、目にはいるたっ!わるぐるしかろうもん
(前髪が長ーくて、目に入りそうじゃない!うっとうしいでしょ)

2)マフラーば巻いたままとらす。くのわるぐるしかごたーっ
(マフラーを巻いたまま寝てるよ。首が苦しそう)

3)普段、Tシャツてろんジャージてろん穿いとっけん、たまーにスーツば着っと、ネクタイとかベルトのわるぐるしか
(普段Tシャツとかジャージとか穿いてるから、たまにスーツを着ると、ネクタイとかベルトが窮屈でうっとうしい)

わるこつ いたずら、悪い事 ほんの悪戯から、詐欺・窃盗などの犯罪まで
”わるこっ”とも言う。

1)そがんわるこっすんなら、おやらんよ
(そんな悪い事するなら、おやつはあげないよ)

2)しょうがっこ高学年なったっちゃ、わるこつかっしよっ
(小学校高学年になっても、悪戯ばっかりしてる)

3)あんひたぁ、わるこつしようで近づきよらすとだけん、かまいすな
(あの人は、悪い事(詐欺?横領?)しようと近づいてるんだから、構うのはよしなさい)
わるごろ 悪がき
手に負えない子
いたずら・ふざけと言った可愛いものから犯罪までと、範囲は広い。
対象は、子どもから青年まで。

1)あすこん息子は、たいぎゃわるごろだったばってん、よかおとうさんにならしたい
(あそこの息子は、相当手に負えない子だったけど、良いお父さんになられたねぇ)

2)幼稚でこぎゃんわるごろなら、中学高校のおもいやらるっ
(幼稚園(児)でこんなに悪ガキなら、中学高校が思いやられる)
〜んごたる 〜のような、〜みたい ”〜ごたる(2)”と同じ
〜んちゃよか 〜しないで良い ”〜んでよか”と同じ
〜んでよか 〜しないでよい 1)いわでちゃよか・いわんちゃよか
(言わないでよい)

2)こんでよか・こんちゃよか
(来なくて良い)

3)せんでよか・せんちゃよか
(しないで良い)

4)みらんでよか・みらんちゃよか
(イタリア車の名前)  *ウソです。見ないで良いの意味です。
んーなこっ、んな 本当・本当のこと *ほんなこつと同じ

1)えーーーっ、んなこん
(えーーーっ、ほんとぉ?)

2)なーん、んーなこったい
(いやいや、ホントだよ)
ん、なら それじゃあ 友人同士の別れの挨拶や、帰る事を切り出す語。
”なら”と同じ。

1)A.ん、なら 、B.んーならね、C.なら かえ
(A.それじゃ、B.それじゃあね、C.じゃあ、帰ろうかな)


「ん、なら」に対して「ん、京都」と答えるギャクもあったが、平成の今では笑えない…)
んま 方言というよりも訛りかな。

韓国語で馬は「マル」

大まかな熊本県の地理 : 熊本市を中心に、東に阿蘇、西に宇土半島・天草諸島・長崎県、北に玉名市・荒尾市・福岡県、南に八代市・水俣市・鹿児島県、北東に菊池市・山鹿市・黒川温泉・大分県、南東に人吉市・宮崎県があり、北西は有明海・佐賀県、南西は八代海・不知火海などがあり東シナ海に通じる。

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―熊本を離れて―

吉冨が普段使う熊本弁は、荒尾市・玉名郡市・熊本市あたりの県北西海岸側の方言です。

関東に来て違和感を感じたのは「お年寄りも子どもも、共通語をしゃべってる!!」ってこと。
熊本に住んでると、店や仕事上では、方言はあまり出さずに話すが、お年寄りや子どもは方言でしか話さないものだ。
しかし、関東では普段が共通語・標準的なイントネーションだ。当たり前のことだけど。お年寄りや子どもが話す共通語には違和感というか、カルチャーショックを受けた。いや、頭では分かってたんだろうけど身体が反応したって感じかな。

基本的に、九州外で熊本弁を使うと「荒っぽい」「怒ってる」と思われる。
おおむねソフトな関東の言葉だが「食べな」「来な」といった「〜な」は、私にはすごくキツく聞こえる。例え柔らかい言い方をされても命令的に聞こえて怖い。優しそうな人も、普段は相当おっかないのでは・・・と想像してしまう。そりゃあ全国的には「はよせんや(早くしないか)」「さっさこんか(さっさと来ないか)」のほうが何倍も怖い言い方だが、聞きなれてるから私にはどうってことない。「〜な」のほうにビクッとしてしまう。いつ聞き慣れるのかな。

熊本の人間は熊本に誇りを持っているが、よそでしゃべっても通じないのと、言われた相手がギョッとするので、方言でしゃべるのは九州内くらいだ。もちろん、まったく気にせずどこででも普段のしゃべり方を変えない人もいる。若者も好んで古臭い方言をしゃべりたがるが、イケテル語かイケテナイ語かで選別もある。語によっては田舎臭いとバカにされたり。。。
しかし、実感を持って使える語彙がたくさんあるほど、表現も広がって良いことだ。話さないと忘れるし、使い方があやふやになるのよね。私もたまに「この語ってどんなとき使うんだっけ?」と悩むことがある。優劣などつけずにジャンジャンしゃべって熊本弁を身体に叩き込もう!
やっぱり、眠いときには「ねむなった」、ものすごく面白かったときには「たいぎゃ面白かった」、全然分からないときは「いっちょん わからん」と言ったほうが自分の感情を表してる気がする。

関東在住の友人達と「これが方言だったとは驚いた」「つい言ってしまった方言」を挙げてみたら
「あとぜき(扉を開けて通った後、閉める事)」
「なおす(しまう、片付ける)」
「はわく(ほうきで掃く)」などが出た。
私がつい言ってしまうのは、「なおす」「はわく」「うんべた(海辺)」「ばっ!(なんだって!)」

関東在住の友人達は熊本を離れて10年以上の人が多く、10人近くで集まっても熊本弁を話す人は少ない。熊本弁で話しかけられたら熊本弁で答えるけど、それ以外は共通語を話すという生活が長いからかな。