使える熊本弁講座2

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使えない熊本弁講座 
ディープな熊本弁 主に県北(玉名・荒尾地方)の方言、局地的な方言、または死語間近な語などを記載。

(2009.8.27追加)

熊本弁 共通語訳 備     考 (例文の太字はアクセント)
あぐっちゃけとる (クチが)開いてる 「あぐっちゃとる」とも言う。
口がぽかーん開いている時に使う。
バックなど入れ物の口がだらしなく開いている時にも使用。
玉名市の海岸側で使うそうだ。私は聞いた事が無いので、局所的に使うのかな。漁師町の方言は広範囲に使われてる事が多いから、案外、有明海沿岸一帯で使ってるかもしれないね。

「あぐっちゃけとる」のくだけた言い方は「やーとる(開いてる)」

1)あんた そぎゃーん クばあぐっちゃけとっと虫んひゃーるばい
(あなら、そんなに口をポカーンと開けてると虫が飛び込むよ)

2)ちょっとーっ てさげんクんあぐっちゃるばい。用心せんなら なんでん つこすばい
(ちょっと! 手提げの口が開きっぱなしよ。用心しないと、色々落っことすよ)


玉名在住の友人Kさん提供語&例文
いげ トゲ 1) 掃除しよったら、いげんに刺さっ
(掃除してたら、トゲが指に刺さった)
いげんはだご トゲの葉饅頭 一個一個木の葉に敷いて作った炭酸(ソーダ)饅頭。饅頭を蒸す間に葉の良い香りが移るので美味しい。
いげん葉は、トゲ(いげ)の生えた木の、葉っぱの事。正式な木の名前は分かりません。申し訳ない。
いとと あやとり 30年位前までは使っていた。(玉名地方)
現在は、TVの影響で”あやとり”に取って代わられてしまった死語。

1)いとときしょい
(あや取りしようよ)
みっとる 水が溢れそうなくらいいっぱいだ 川や池などに使う。県北中央の山鹿方面で使うようだが、詳しくは不明。私も知らなかった語。
もしかしたら英語の「limit (限界、限度、制限)」のこと !?

1)きくちがのいみっとるねぇ
(菊池川(の水)がいっぱいだねぇ)
いらう いじる 特に、熊本弁という訳でもないが使う人もいる。

1)つーばいらうと、のでっよ
(かさぶたをいじると、血が出るよ)
ええころかげん いいかげん・適当に 状態や行動に対して使う。 

1)鍋もんば、ええころかげんで味付けしたばってん、ちょうど良かった。
(鍋物を、テキトーで味付けしたけど、丁度良かった)
えすか 怖い 玉名地方の方言。 
湘南の江ノ島神社で「エスカー」という乗り物(エスカレータ)の看板を見て
「そんら、エスカけんらん(それなら、怖いから乗らない)」と思いました。

1)あそこんお化け屋敷は、そーんえすかったよ。
(あそこのお化け屋敷は、とっても怖かったよ)
えんち 自宅 最近は、なかなか使わなくなった語。

1)宿題はえんちさん、わすれました
(宿題は家へ、忘れました)

2)疲たけん、よえんちさんかえろたっ
(疲れたから、早く家に帰りたい)
訛りですね。他に、「おる」とも言う。
おてつく 落ち着く ”おっつく”とも言う。どちらも訛り。使う人は少なかったが、若者がわざと使ったりして復活した。

1)おてついて、はなしなっせ。
(落ち着いて、話なさいよ。)

2)ドキドキして、おてつっきらん。
(ドキドキして、落ち着けない。)
おもあい 分け合う・共に使う ”おもやい”とも言う。
おもやい 分け合う・共に使う ”おもあい”とも言う。
学校で教科書を忘れた場合など”教科書をおもあいして見る(教科書を一緒に見る)”などと使う。
兄弟ケンカでおもちゃを取り合った時などは「おもやいっこ」で解決する。
ひとつのものをみんなで分け合うことも少なくなったので、まもなく死語になりそうな語。

1)おもやいする
(一緒に使う。分けて食べる)

2)喧嘩せんでおもて使いなさい
(喧嘩しないで一緒に使いなさい)


”もやいの精神”といえば、お互い様で助け合うこと。
おんぶくれる 溺れる・うずもれる・着膨れする ”うんぶくれる”(使える熊本弁講座に記載)と同じ
*玉名出身Kさん提供語。玉名の北と南では、思った以上に発音の違いがあるのかも知れません。
かいじゃくし おたま 「貝杓子」もしくは「匙(かい)杓子」と書くと思う。
玉名の一部でしか使われていない語。語源は貝でおたまを作ってたからかな?

1)かいじゃくしのなべん中にお
(お玉が鍋の中に落ちた)

2)かいじゃくしで、ようウドンばぎきんねぇ
(お玉で、よくウドンをよそえるね)
かたぐ 担ぐ 「かためる」とも言う。共通語の「かつぐ」が訛った程度か。

1)なんか棒は、手で持よか、かたいが らばん
(長い棒は、手で持つよりも、かついだが楽だよ)
かためる 担ぐ 「かたぐ」とも言う

1)運動会んテントば、ためて運んけん、あしは かたん凝るばい
(運動会のテントを、かついで運んだから、明日は肩が凝るでしょう)
カツ丼 ソース味のカツ丼 丼に盛った白ご飯の上に、千切りキャベツを散らし、トンカツを乗せてソースをかけた丼
トンカツ定食を、そのまま丼にしたような物ですね。

2006年4月に、高校の同級生達と宴会をしたが、その時聞いた語。
言われてみれば、子どもの頃食べていたカツ丼は、ソース(ウスターソース)味だった!
最近は、めったにカツ丼も食べないけど、熊本のトンカツは「卵とじ」と「ソース味」が半々くらいなのかな?
かつれる お腹が空く 空腹を通り越して飢餓状態で、見た目や気持ちがガツガツしてること。
”かつれご(欠食児童)” *欠食児童自体が日本では死語に近いよね。

1)こん犬はガツガツ食べちかっ、相当かつれとったよ。
(この犬はガツガツ食べて、相当お腹が空いてたんだよ)

2)かつとっ?目にちからんかけん
(ひもじいの?目に力がないよ)


3)そがんかつれごんごつ食べんちゃ。落っついて食べんね。
(そんな欠食児童のように食べなくても。落ち着いて食べなさいよ。)

4)昼抜でかつれとっけん、よ飯ばくだはい
(昼抜きで飢えてるから、早く御飯を下さい)
かばしか 香ばしい 玉名あたりで言う人もいる。という程度。

1)ばしか匂いのするておもたら、煎餅屋さんあった。
(香ばしい匂いがすると思ったら、煎餅屋さんがあった。)
かぼんす 大頭 大きな頭のこと
玉名出身Kさん提供語(玉名・長洲地方の語)

吉冨(玉名南部)では、”かぼんす”は、”かっぽす(空洞、空っぽ)”と同じ意味だった。
1)こがんこっも知らんとかい、そんあたまにゃ、かぼんすだろ
(こんな事も知らないのかい。その頭は、カボチャのように空洞だろ?)
かむ 食べる(人に食べ物を勧める時に使う) 自分が食べる場合ではなく、他人に「召し上がれ」と言う時に使う。
玉名の一部で使われる。しかし、ほぼ死語。私も、親戚のお年寄りにしか言われた事がない。
「食べる」を「噛む」とは直接的過ぎる表現だ。 

1)お菓ば、かみなっ
(お菓子を、食べなさいよ)

2)みぃちきたけん、リンば かまんかい
(今、剥いて来たから、リンゴを食べないかい)
からすまがり こむら返り 足・脚などがツルこと。
玉名では使うが、よそでは不明。
”からすまがりがする”、”からすまがりのする”と言う。

1)泳ぎよったら、あんからすまがんのしかっ、しんかておもた。
(泳いでたら、足がつったので、死ぬかと思った。)
かんねる 数える 玉名地方で使う。方言というより訛りかな。

1)ようとかんてみたばってん、っぱ足らんよ
(よく数えてみたけど、やっぱり足らないよ)
ぎっこんばっこん シーソー ”ぎったんばっこん”と同じ 玉名の北部・長洲町あたりの言い方

玉名出身Kさん提供語
ぎったんばっこん シーソー ”ぎっごんばっこん”と同じ
子どもと遊ぶことが無いので分からないが、たぶん、今は死語でしょうね。玉名南部の言い方
寝て立て膝をした大人の足に子どもが乗って、上下に動かしてもらう遊びも”ぎったんばっこんする”と言っていた。
他に、シーソーに乗って、互いに地面を蹴る動作の掛け声も”ぎーったんばーっこん”と言っていた。

1)はい、こっちかっ漕ぐよ、ぎーったんばーっこん
(はい、こっちから蹴るよ)
きんだい 最近、この頃 近代のこと。お年寄りしか使わないので死語間近。
文語的なのに会話で使うというのが面白い。

1)きんだい、携帯電話てろん、メールてろんあるけん、なかなれんらくつかんことは、のうなったね。
(最近、携帯電話とか、メールとかあるから、なかなか連絡がつかないってことは、無くなったね。)
ぐぁん ご飯 ”がん”とも言う。
結構乱暴な言い方。県北で使う。

1)ぐぁんば食べん
(ご飯を食べなさいよ)

2)がんばく
んね
(ご飯を食いなさいよ)

3)がんかん
(ご飯を食わないか)
 *上の文をさらに訛って言うとこうなる。
くー とても 県北西、荒尾地方の方言。(荒尾に隣接した、福岡県南の大牟田市あたりでも使う)

1)くーおかしか
(とてもおかしい)

2)くー歩いたけん、くー足のい
(とっても歩いたから、とても足が痛い)
ケンチキ フライドチキンで有名なK社 現在使われているかは不明。私が学生のときは使っていた。
「ケンタ」というよりもちゃんと短縮していると思うのだが・・・

韓国では「ケンチ」と言い、マックのことは「メクノ」というらしい。
ファーストキッチンを「ファッOン」と言っている方へ、その短縮形は危険なので止めましょう。
こつかいしぇん 小遣い ”お小遣い銭”が訛ったもの。

1)こつかいしぇんはい
(お小遣い頂戴)
ごっだま (駄菓子屋の)飴 中学生のとき使っていた。玉名の方言。
小学校時代は使っていなかったが、中学で一緒になった別の小学校区の友達が使っていた。駄菓子屋で一個ずつ売ってる5円〜20円位の飴玉のこと。5円飴だけを指すのか、大きな飴の総称だったのかは忘れた。
こどん こども・ガキ ”こどん”と言うと怪獣のようですが、ある意味怪獣であってるかも。

1)にちよーんおもちゃ屋は、どんかっ
(日曜日のおもちゃ屋は、こどもばっかり)

2)ら、おどんどんたい
(これは、私の子どもですよ)

3)フルーツドロッな、どんがとき、よーお食べよっなぁ
(フルーツドロップは、子どものとき、よく食べてたねぇ)
こぶる しゃぶる・舐める 多分、県南の方言。
私は聞いたことはないので、県北では使わないような気がする。
しぃとる 好きだ ”すいとる””しーとー”と同じ
好き・好いてる−>すいとる−>しぃとる、と変化

1)こん色がしぃとる
(この色が好き)

2)美樹ちゃんのしぃとらすけん、こうていこ
(美樹ちゃんが好きだから(好いているから)、買って行こう)

3)たは、こっがしーとーね!
(あんたは、これが好きだよね)
しぇんしぇえ 先生 学校の式典で、司会の先生がおっしゃる”次は校長しぇんしぇえのお言葉”で生徒は大受けする。
昔、九州では「さ・し・す・せ・そ」を「しゃ・しぃ・しゅ・しぇ・しょ」と訛って言ってた名残り。
現在も、そうしか発音できなかったりするお年寄りもいらっしゃる。
市内 熊本市内 熊本市民限定の方言
熊本市民は、熊本県内のどこで尋ねられても、他の市に行った時に聞かれても「私は、市内から来た」という。熊本県内で、「市」だったのが熊本市だけだった時代の名残でしょうね。
島原さん行く うたた寝する・舟をこぐ うたた寝してこっくりこっくり船を漕いでいること。
地理的に見ても熊本の北部海岸側で使うと思われる。
現在は、玉名郡長洲町や熊本市、天草あたりから対岸の長崎県島原半島行きフェリーが就航している。

1)さっきま飲みよらしたとに、もう島原さん行よらすよ
(さっきまで飲んでいらしたのに、もうこっくりこっくり寝ちゃってるよ)
じゃあこん 大根 玉名あたらいで使う。近頃は、使う人は少なくなってきてる。

1)じゃあこんけたけん、食べてみんね?
(大根を漬けたから、食べてみない?)

2)切り干しじゃあこん
(切り干し大根)
じゃっとん だけど・しかし ”じゃっどん”とも言う。
これも使う人は少ない。”ばってん”への言い換えも可。
親戚のおじいさんおばあさんくらいでしか、聞いたことが無いかな。県内の使用地域も不明

1)もういか。じゃっとん、はやすぎっ
(もう行こうか。でも、早すぎるかなぁ)
じゃっどん だけど・しかし ”じゃっとん”と同じ。
じゅん あんた、君 相手を指す意味での「自分」が訛った語。西日本でよく使う言い方。
割と、くだけた言い方。玉名では使うが、よそでは不明。

1)じゅんな、名前ななん
(あなたは、名前は何なの)

2)じゅんがじゅんばん
(君の順だよ)
しょくたん 食用カエル 食用びきたん(カエル)の略か?

*玉名出身Kさん提供語 しかし、どこ辺りで使うのかは不明
すったく ずるい行動・横着な行い ”すったっかこつ(ズルイやり方)”という言い方で使う

1)棚の上のものを取ろうとしてイスを使えばいいものを、本棚に足を掛けたりしてコケたりした時に
そぎゃ〜ん、すったかこっすっけんこくっとたい
(そんな、なまけたようなずるいことするから、転ぶのよ)


*玉名出身Kさん提供語・解説・例文
玉名の北部・長洲あたりでは、「すったくする」という言い方は、しないらしいです。
すったくする ズルをする・さぼる 荒尾と玉名の一部で使われている。高校時代に知った語だが、これは使える!
共通語にしたいくらいだ。

1)今日は掃除当ばってん、すったくて帰
(今日は掃除当番だけど、さぼって帰ろう)

2)美樹ちゃんな、なんすったくしよっと!!
(美樹ちゃんは、何ズルしてるの!!)
そーな とても ”そーん”と同じ
そーにゃ とても ”そーん”と同じ
そーん とても 玉名地方の方言。
他の地方でも”そーな”や”そーにゃ”は言うが、「そーん」は玉名独特。 

1)新しか展望台にったばってん、そーにゃ高ったけんこわった
(新しい展望台に上ったけど、かなり高かったんで怖くなった)

2)こないだ見た映画にゃ、そーん面白かった
(この間見た映画は、とっても面白かった)
それがくさ それがね 県北あたりで使う。
どちらかというと福岡・佐賀・大分など九州北部の方言。「・・・くさい」とも云う。
ほとんどの熊本では「それがたい・そっがたい(それがね)」を使う。
ばってん荒川さんが演じる「オヨネばあさん」は、よく「〜くさい」を使うが、熊本弁としてはどうかと思う。

*追加情報を熊本市のSさんから頂きました。(2009年2月)
『熊本市に住む高齢者の中には、語尾に「・・・くさい」と付ける人は昔は多かったですよ。』とのことです。
へーっ!存じ上げませんでした。熊本市では「死語」になりつつ方言なのでしょうか。県北の友達は使ってますけどねぇ。今後、保護していかないと、「〜くさい」が熊本弁ではなくなっちゃう!?

1)それくさ、これがやさい
(それがね、これが野菜) 
*あぁ、済みません。駄洒落にもなってない例文ですね。
 
 ”それが草”と聞き取れというのは無理!?

2)よくさい、そんままとこ
(いいよ、そのままにしておこう)
たんねる 尋ねる・問う 1)たんてむったい?
(尋ねてみたら?)

2)なんかいでん、たんぬっのどっかけん、かに書いとなん
(何回でも尋ねると気の毒だから、紙に書いとかなきゃ)
ててんご いたずら・遊び 子どもがチョロチョロとつつき合ったり、何かいじったり、おもちゃにしたりするのを叱るときに使う。
県北では現役。他の地域は不明。

1)そこん二人、ててんごばっかりせんで話ばきなっせ。
(そこの二人、いたづらばっかりしないで話を聞きなさいな)

2)なかけんが、ドライヤーでててんごせんでね
(危ないから、ドライヤーで遊ばないでね)
でんしゃ 熊本市電 いわゆるチンチン電車。熊本市の人は電車と呼ぶので話がこんがらがる。
熊本市以外の人は、市電・路面電車などと呼ぶことが多い。

ちなみに、市電を”電車”と呼ぶ熊本市の人は、JRの事を”汽車”と呼んだりもする。
いつの時代だ・・・汽車(蒸気機関車)は走ってないぞ。と突っ込んでみる。

<熊本市民>ここまで、どぎゃんして来たと?(ここまで、どうやって来たの?)
<玉名市民>うん、電車で来た。(うん、JRで来た)
<熊本市民>えっ!電車は玉名まじ走っとらんよ。(えっ!市電は玉名まで走ってないよ)
<玉名市民>あぁ、JRの電車で熊本駅まじ来てかっ市電に乗って来たったい
       (あぁまったく!JRの電車で来てから市電に乗って来たのよ)
とっぼる 飛んでる 玉名地方の北部で使うらしい(玉名南部の吉冨は使った事が無い)

他の地方では「とびよる」を使うことが多い
とぶ 届く・着く 水底に足が届く、といった場合に使う。
最近この語を使う場面がないが、現役語なのだろうか? 
他県では「とう(到?)」と言う所もあるらしい。

1)江津湖でートのひっくり返ったったい、泳ぎきらんけん、どがんしようかておもたら、
足んとんだけん助かったぁ。
(江津湖でボートがひっくり返ったのよ、泳げないから、どうしようかと思ったら、
足が(底に)届いたので助かった。)


2)足んばんとこで泳ぐとは、こわかー
(足が届かないところで泳ぐのは、怖い)
たぶん全県で通じると思うが、未確認。
とん 玉名地方の北部で使うらしい(玉名南部の吉冨は使った事が無い)
なめる (魚を)食べる 玉名の海に近い地方で使うそうだ(吉冨は知りませんでした)

1)さかば、なめん
(魚を食べなさいな)

2)わー、さかんホだけのこしち、きれーにな
(わー、魚の骨だけ残して、きれいに食べたね)


玉名出身の友人M君提供語 魚に限って「なめる」と言うらしいです。
使い方は教わらなかったけど、きっと上記のような感じでしょう。
*共通語の「なめる」は、熊本弁で「ねぶる」と言います。
ニコニコドゥー ニコニコドー ニコニコ堂はマラソンの松野明美さんがいたスーパーマーケットです。
スーパーのロゴが「NikoNikoDo」なので、ニコニコドゥーと読めるところから来ている。
私の友達の間では通じるが、全県的な認知度は低い?
ぬすけ まぬけ ボーっとした人に対し使う。「ぬけ作」ってことです。全県で使うだろうが未確認。

1)あん人は、ぬすけとらすけん、でけん
(あの人は、ぬけてるから、ダメ)
めっけん 眉間 こどもの罰ゲームで、「めっけん」といえば眉間のあたりを爪で弾くことだ。

1)負けたらめっけんだけーん
(負けたらでこぴんだからね)
(何々さん)ち どこの方言か定かではないが、私の父だけが使う。

1)吉冨さんねかっ、きばろた
(吉冨さんちから、柿をもらった)

2)美樹ちゃんね、行っとったけん、そなった
(美樹ちゃんち、行ってたから、遅くなった)


父の先祖は玉名、父は大牟田市生まれ、同居していた父の叔母は日本統治時代の韓国・馬山での生活が長かった。
玉名の古い方言なのか、大牟田弁なのか、韓国語でも”ネ”は、「(何々さん)ち」「(何々さん)所」の意味なので韓国語なのか・・・分かりません。
ねおる 寝込む 疲れや病気で寝込んでいるときに使う。 

1)阿蘇山でいっぴゃあ遊んじ疲たけん、帰ってかっおっとった。
(阿蘇山で思いっきり沢山遊んで疲れたから、帰ってから寝込んでた)

2)じいちゃん最近にゃるかけんて、おっとります
(じいちゃんは最近はだるいからと、起き上がれないです)
ばかう 取り合う・奪い合う ”ばこう”とも言う。
玉名郡長洲町の成人式の日のお祭りは「的ばかい(まとばかい)」。
神社から的(藁の塊)を奪い合って締め込み姿の男性達が海岸まで行く神事。
見たことはないけれど確かそんな感じです。

1)そがんばかうと、やぶるったい
(そんなに取り合うと、本が破れるじゃない)

2)きょおん唐揚げは少かけん、ばこうて食べちはいよ
(今日の唐揚げは少ないから、奪い合って食べて下さい)
はぜ負け はぜの木にかぶれること 日本の暖かい地方に生えているハゼの木。よって方言とも言えるかな。
漆かぶれと似ている。

はぜの実は和ろうそくの原料になる。かぶれるとひどく腫れて痛痒いらしい。
雨の日に櫨の木(はぜのき:漆科)の下を通ったというだけで、かぶれて一週間休んだ友達がいた。
しかし、紅葉の季節には葉が真っ赤に色づき美しいので嫌われてはいない。
はだぐい 単独で食べる
ばっかり食い
玉名では、御飯のおかずとして食べるものを、御飯(飯)は食べずに単独で食べることを指す。
”はだぐい”しやすいのは、唐揚げ、てんぷら、餃子など。先に食べてしまって、御飯は漬物で食べたり。。。
枝豆の場合、御飯とは食べないので、夕食で枝豆を食べるのは”はだぐい”とは言わないが、ビールのつまみとして出された枝豆なのに、ビールは減らず枝豆ばかり食べ続けるのは”はだぐい”ですね。

地方によっては、食事時以外の間食の意味もあるらしい。熊本も広いなぁ。

1)ぎょうざば、はだぐいせんで、ごはんといっしょにべん
(餃子を、それだけで食べないで、御飯と一緒に食べないか)

2)揚げたてん天ぷの、あんまっおいしかったけん、はだぐいしよったら、御飯のおかずんのうなっ
(揚げたての天ぷらが、あんまり美味しかったので、天ぷらばっかり食べてたら、御飯のおかずが無くなった)
ばっじゃす こぼす・ぶちまける 英語に直すと「Bad justice:腐った正義」 *ウソです信じないでね。
液体や細かい物をこぼすこと。玉名の方言。 

1)あぁー、そぎゃんコッぶるとばっじゃるったい
(あぁー、そんなにコップを揺するとこぼれるよ)
*「がぶる」は相撲でいう「がぶり寄り」のがぶりのこと。

2)あーぁ、ばっじゃしたぁ
(あーぁ、こぼしたぁ)」
ばれる 暴れる 「あ」を取っただけで、ずいぶん響きが違うので「バレル」と聞こえてドキッとするかも。 

1)お風呂場でれると、滑ってあぶな
(お風呂場で暴れると、滑って危ないよ)

2)どんのれるけん、ふすまに穴ん開いたたい
(子どもが暴れるから、襖に穴が開いたじゃないか)

3)あーもう、れるといかん
(あーもう、暴れたらダメ)
〜ばん 〜だよ 語尾につける。県中北部玉名あたりで使う。
方言の「〜ばい(〜だよ)」の更に方言といった語です。人によっては「〜ばな」とも言う。
一般的な「〜ばい(〜だよ)」に比べ、て断定的・否定的に聞こえ乱暴にも感じる。

1)がうばん、こっぱん
(違うよ、これだよ)

2)今度は美樹ちゃんのばんばん
(今度は美樹ちゃんの番だよ)

3)なん、かばん
(なぁに、いいよ)

4)ざわざわんちゃ、こっかばな
(わざわざ買わなくても、これで良いよ)
ひだるか ひもじい 熊本県中で使えるかどうかは不明。
玉名では通じますが、普通は「お腹すいた」とか「腹ん減った」を使う。

1)ひだかねぇ、なんか食ぶっとはな
(お腹すいたなぁ、なにか食べるのは無い?)

2)あさごはんば、はーよ食たけん、ひだるなった。
(朝ごはんを、早く食べたから、ひもじくなった)
ひゅうなか 変だ・おかしい ”ひゅんなか””ひょんなか”とも言う。玉名では使う。
”変なか(変だ)”が”ひゅうなか”と変化したのかな?

1)ひゅうなか服着て、かっちょわりい
(変な服着て、かっこ悪い)

2)背中んリボンば見ひゅんなくな
(背中のリボンを見て。おかしくない?)
ひゅんなか 変だ・おかしい ”ひゅうなか”と同じ
ひょんなか 変だ・おかしい ”ひゅうなか”と同じ
ひんね 昼寝 訛りですね。

1)あーねんかけん、ひんねしゅうーか
(あー眠いから、昼寝しようか)
ふてる 捨てる めったに聞かないが、使う人もいる。

1)拭いたかみゃぁ、けふてなっ
(手を拭いた紙は、ここへ捨てなさいな)

2)こん雑誌な、ふてよかん
(この雑誌は、捨てていいの?)
ほうらすか たくさん 1)あすに ほうらすか おいとるけん どがしこでん もっていって よかよ
(あそこに たくさん 置いているので どれだけでも 持って行って いいですよ)

*福岡市在住(荒尾出身) Yさん提供語・例文です。
使用地域は不明ですが、玉名市では聞かないようなので、県北で使う語なのかな?
荒尾の言葉も多少は知ってるつもりでしたが、初めて聞いた語でございましたよ。勉強になります!
ほとびらかす 乾物に水を吸わせること ふやかすこと。 

1)シールば剥がすにゃ、シールばようととびらかすと剥がしやすかよ
(シールを剥がすには、シールを良く濡らすと剥がし易いよ)

2)棒寒天な、とびらかしてかっちぎっ
(棒寒天は、ふやかしてから千切ってね)

3)食器洗いもよばってん、よーとびらかさんと、米粒んえんけん
(食器洗い機もいいけど、よくふやかさないと、米粒が落ちないからね)
ほとめく 興奮する 1)まぁた あんこが ほとめいて 寝はせんばい
(また あの娘が 興奮して 寝ようとはしないね)


*福岡市在住(荒尾出身) Yさん提供語・例文です。
玉名市では聞かないようなので、県北で使う語でしょうか?
一般的な熊本弁「ほめく」と似てますが、若干使い方が違うように感じます。
「ほめく」は、うだるような暑さ、頭がぼうっとするような陽気に使います。

 ほめくの例文:今日は、めくのぉ(今日は、蒸し暑いねぇ)
          あっつぁ、あっつぁ、めてのん(暑い、暑い、暑くて参る)
まよたー うらめしやー 熊本の幽霊は「まよたぁ」と言って登場する

1)幽霊:まよたー(うらめしやー)
 吉冨:ナビ付き携ば かか?(ナビゲーション機能付き携帯電話を貸そうか?)


*”まよたー”を”道に迷った”と勘違いしたってことですね。しかし、霊界でGPSは有効なのか?
まっぽし ずばり 神がかり的に、ズバリその通り言い当てた・命中したといった場合に使う。

まっぽしさん : もっぱら心配事の相談を受けている人。占いと言うより閃きで予言してくれる人。
事件・災害を予言したり、言う通りにしたら事業が上手くいったという話もある。
が、信じるのはそれぞれの責任で。

1)家族中事故てろん、病気てろんうて、まっぽしさんに見てもら
(家族中事故だの、病気だのにあって、占い師に見てもらおうか)
まるさじ スプーン これは、給食で先割れスプーンを使っていた時代の語だ。(玉名)
給食の時間には、先割れスプーンはスプーンと呼んでいたが、
先割れでない普通のスプーンが間違って入ってると「まるさじ」と呼んでいた。
今、給食ではお箸を使うだろうから死語かな?

1)なん、美樹ちゃんのはまるさじばい!
(なぁにぃ、美樹ちゃんのは普通のスプーンじゃないの!)
むしゃもん カッコつけ野郎 ”むしゃんよか”はカッコいいという褒め言葉だが、むしゃもんはアザケた言い方。
玉名の一部で使うが、よそで使うかどうかは不明。

1)あいつぁむしゃもんだけん、いっでん鏡ばみよらる。
(あいつはかっこつけだから、いっつも鏡を見てやがる。)
やじぇらしか うっとうしい・わずらわしい 主に、体に触れてうっとうしい時に使う。 

1)こんモヘアんタートルネックは、びにさわって、やじぇらしかぁ
(このモヘアのタートルネックは、毛が首に触れて、うっとうしい)
やすくち 近所 ”屋敷内(やしきうち)”が訛った語。向こう三軒両隣程度の近所を指す。県北で使う。

1)佐藤さんげなら、やすくだけんやっとくよ
(佐藤さんちなら、近所だから渡しとくよ)
やーとる 開いてる 「あぐっちゃとる」、「あぐっちゃけとる」のくだけた言い方
玉名市の有明海沿岸で使用 同じ玉名だけど、私は聞いた事がないなぁ。

ひらいてる→ひりゃーとる→やーとる と変化したのかな?

1)ゲームに熱中すっは よかばってん、クチんやーとるばい
(ゲームに熱中するのは良いけど、口が開いてるよ)


玉名在住の友人Kさん提供語&例文


以上、あまり上品とされていない語もあります。受け狙いで使ってみますか?
但し書きを入れた局地的な方言は、県内であっても通じません。地形や産業によって発生した方言は、1キロ離れた場所では使わない事もあります。
また、方言として知ってはいるが最近使わない語や、地元での使用は確認できるけど、全県規模での使用は未確認なものも多いです。
私が会話する人は限られるため、ナカナカ調査できないッス。申し訳ございません。
熊本市の栄通り・銀杏通りあたりのキレイなおねえさんに「熊本弁知ってるよ」と言ってお使いにならないで下さい。笑われます。


先日、ずーっと玉名に住む姉が「”そーん(とても)”て玉名でしか言わんて知っとった?」と言ってきた。Y美さん、熊本市の学校に通ってたよね。。。なのに気づかなかったなんて・・・。ついでに”えすか”も玉名弁て教えてやりましたですたい!


もはや死語(玉名弁) : 

30年くらい前「どんず」という名前の猫がいた。「どんず」というのは大きくてでっぷりしてる人に付ける玉名地方のアダ名らしいが、そんな方言は死語(?)60年くらいでしょうか。
大きい顔のことは「うーづら」といったそうだが、これも死語50年ほど経ってるでしょう。
最近は幼稚園で方言を使わないらしく、幼児の熊本弁率が下がっているらしい。小さい子が「〜と?」「〜たい」などと言うのは、可愛いと思うんだがなぁ。

猫の話題 : 猫が1ヶ月〜1年くらい家出をすることがあるが、熊本ではこれを「猫岳参り」と言い、成人した猫は阿蘇山の猫岳に修行にいくという言い伝えがある。実際そういった家出をした猫が帰ってきたとき、痩せこけて傷だらけだったりするので、修行に行くという表現がピッタリだと思う。

ここに載ってない局地的な方言、死語間近な方言などがありましたら。
例文を添えて、吉冨までお知らせ下さいませ。お名前(ニックネーム)と共に掲載いたします。